兄はドラ1、弟は戦力外からテスト入団 ロッテがつないだ田中兄弟の縁
入団時に語った「手ごたえ」を証明
入団時に「兄も在籍していたチームに入団することができて、深いご縁を感じています。兄からは『とてもやりやすい球団だよ』と聞いています」と語った田中靖投手。「今年は1軍で18試合に投げてプロ初勝利を挙げるなど、手ごたえもあったので、マリーンズでしっかりと生かして結果を出したいと考えています」とコメントし、新天地での飛躍を誓った。
移籍1年目の昨季はチームの中継ぎ陣が軒並み好調だったこともあり、なかなか1軍から声が掛からない時が続いた。しかし、終盤に入って昇格。ビハインドの場面での登板が主となったものの、速球と切れ味鋭いシュートを武器に奮闘する。最終的には17試合に登板して0勝1敗1ホールド、防御率2.76。入団時に語った「手ごたえ」の確かさを証明した。
今季もシーズン終盤から登板すると、13試合1勝0敗1セーブ、防御率1.98と安定感を発揮。井口監督の引退試合となった9月24日の北海道日本ハム戦では、同点で迎えた12回表に登板して相手打線を無失点に抑え、鈴木選手の劇的なサヨナラ打を呼び込んだ。
過去3年はシーズン終盤のみの登板にとどまっているが、田中靖投手の実力は1軍で残してきた数字が如実に示している。兄の良平氏は高校時代、同世代の内海投手(巨人)らと並び称された。先にユニホームを脱いだ兄の思いも背負って、来季こそはシーズンを通して活躍し、「千葉ロッテに田中あり」ということを知らしめたいところだ。