過去10年で12選手だけ ホークス東浜も掲げる「200イニング」の高い壁
ソフトバンクでの達成者は2006年の斉藤和巳
岩隈久志やダルビッシュ有、田中将大、前田健太と、現在は米MLBでプレーする球界屈指の投手たちの名前が並ぶ。ここ10年では前田の4回を最多に、ダルビッシュが3回(NPBでのキャリアでは4度)、岩隈と田中が2回達成し、成瀬善久と金子千尋も2回ずつ200イニングに到達している。いずれも球界を代表した投手ではあるが、毎年のように達成出来るわけでない。シーズンを通して安定した投球を続け、イニングを投げる必要があり、その難しさが伺える。
200イニングに到達するには、最低でも7回ないし8回は投げ抜くことが求められる。しかもシーズンを通して安定した投球を続け、チームから長いイニングを任されるだけの信頼も必要だ。今季24試合中13試合で、イニング途中でマウンドを降りていた東浜。来季に向けて「しっかり任されたイニングを投げ抜くというところですかね。今年はイニング途中での降板が多かったと思いますし、まだいけるまだいけるという思いで、悔しく降板する試合も多かったので、そういう思いをしないようにしたい」とも語っていた。
続投させてもらえるだけの信頼をまだ築けていなかったという側面ももちろん、工藤公康監督ら首脳陣が我慢しきれなかったという部分もあった。このイニング途中での降板をなくすことが、200イニングに近づく第1歩となるだろう。
ソフトバンクで200イニング達成者は、2006年の斉藤和巳氏が201イニングを投げてから出てきていない。三浦大輔氏が2006年に達成したDeNAとともに、最も長期間、到達者が出ていない球団である。「200イニング」は先発投手にとって、1つの勲章だ。2018年、ソフトバンクの若き右腕はこの勲章を手にすることは出来るだろうか。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)