「クォ・ジュンリン」で再出発する西武右腕 名投手にあやかる過去との決別

過去には許銘傑、陽岱鋼と台湾人の先輩2人も登録名変更後に覚醒

 そんな中で迎えたオフ、11月23日、球団は郭の登録名と背番号の変更を発表。登録名は日本語読みの「かく・しゅんりん」から台湾読みの「クォ・ジュンリン」に、背番号は「12」から「69」へとそれぞれ一新されることになった。偉大な先達にあやかった登録名と背番号から離れて心機一転し、プレッシャーからも解放することが目的のひとつかもしれないが、あるいは同時に験を担ぐという狙いもあるのかもしれない。 

 かつて西武で活躍した許銘傑氏が、好調時のピッチングを取り戻せずに苦しんでいた2010年末、登録名を本名から「ミンチェ」に変更したことがある。「来年は新たな気持ちで気合を入れ直したいと思います」という言葉通り翌年は中継ぎとして新境地を開拓し、49試合に登板して6勝2敗22ホールド1セーブ、防御率1.98という大活躍を見せて見事に復活を遂げている。

 近年では、北海道日本ハムの陽岱鋼選手(現・巨人)が伸び悩んでいた2009年に「陽仲壽」から現在の名前に改名を行っている。そして、「来年は勝負の年だと思っています。1軍に上がることだけではなく、レギュラーを取るしか考えていない」という言葉通りに翌年ブレイクを果たし、見事に外野のレギュラーを奪取。以降はリーグを代表する外野手の1人として活躍を続け、球団史上初の盗塁王に輝くなど、スターダムを駆け上がっていった。

 以上の例からも、台湾出身の選手にとって改名というものは縁起の良さを感じさせるものと言えるかもしれない。上記の2人同様に難しい時間を過ごしている郭にとって、今オフの変化が現状を打破するための起爆剤となり得るだろうか。「郭泰源の再来」ではなく「クォ・ジュンリン」という1人の選手として迎える来季、台湾で将来を嘱望された大器の覚醒に期待したいところだ。

【動画】強力ソフトバンク打線を次々と討ち取る西武・郭俊麟

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