マイコラスも続けるか NPBから復帰後、MLBで活躍した助っ人投手たち

バーネットは日本での実績が認められてメジャーデビュー

 NPBでの実績が評価されてMLBデビューを果たしたのがトニー・バーネットだ。

トニー・バーネット(実働 2010- ヤクルト2010-15)
NPB移籍前 MLBでの登板実績なし
NPB時代(ヤクルト)260試合11勝19敗97S49H 防御率3.60
MLB復帰後 103試合9勝4敗2S19H 防御率3.75

 2015年のヤクルト優勝の守護神として活躍したバーネットはこの年のオフにレンジャーズと2年契約を結ぶ。2006年にダイヤモンドバックスのドラフト10巡目でプロ入りしてから4年間、挑戦して果たせなかったメジャー昇格をNPBでの実績で実現させた。レンジャーズと再契約し、来季残留が決まっている。

 NPBからMLBに移籍して活躍する選手に共通するのは、比較的若くして日本に来ていること。また、日本で制球力が向上したケースが多い。NPBからMLBに復帰する前例が多くなって、NPBでの実績から、MLBで通用するかどうかをある程度類推できるようになった。マイコラスへオファーしたカージナルスもそれほど不安視していないだろう。

マイルズ・マイコラス(実働2012-17巨人2015-17)
NPB移籍前 37試合4勝6敗0S1H 防御率5.32
NPB時代(巨人)62試合31勝13敗0S0H 防御率2.18
MLB復帰後 ?

 マイコラスはMLBでは救援で起用されることが多かった。先発投手としての能力は日本で開花したと言ってよい。もともと制球力の良い投手だったが、巨人ではそれに磨きがかかった。2017年は187奪三振で、奪三振王に輝いたが与四球はわずか23個だった。

 彼もまだ29歳と若い。カージナルスはエースだったウェインライトに衰えが見える。先発の一角として活躍する可能性は十分にあるだろう。

 今や、NPBで活躍する投手は、日本人、外国人の別なくMLBが注視している。獲得した外国人投手が活躍するのは、NPB球団にはありがたいことだが、そうなればMLBがオファーする可能性が出てくる。年俸では太刀打ちできない。痛し痒し。そういう時代が到来しているということだ。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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