北海道から世界へ 大谷翔平の感謝と決意 さよなら記者会見の一問一答
「やり遂げたという感情はないですし、まだまだ道の途中だなという感じ」
――札幌ドームで一番印象に残っているプレーは。
大谷「初登板はすごく思い出があるかなと思います。緊張もしましたし、ホーム球場のマウンドに立つというのはすごく緊張したなと思います」
――栗山監督が札幌ドームで一番印象に残っているのは。
栗山監督「活躍というよりも、マウンドに上がる度に、元気で試合が終わるということばかり祈っていました。ファンの皆さんもそうだと思いますし。活躍というよりももっとできるだろうと思って見ていました」
――今日来ている両親への感謝の思いを。
大谷「父親に関しては、ずっと指導者という立場で接してきたので、両親というよりは野球を教えてくれた最初の人なので、感謝しています。母もやりたいと言ったことに関しては、全力で自分の決めたことはやりなさいという感じだったので、やりたいことを僕のやりたいようにやらせてくれたことに本当に感謝しています」
――二刀流を日本球界でやり遂げた手応えは。
大谷「やり遂げたという感情はないですし、まだまだ道の途中だなという感じなんですけど、ここに来ると決めた時は、栗山監督はじめ、ごく少数の人たちしかできると思って行動してくれていなかったんじゃないかなと思います。そういう考えを持ってくれている人たちが僕の周りにいたということは、僕にとってラッキーだったなと思っていますし、本当にそこが全てだったなと思います」
――栗山監督はこの5年間の成長をどう評価するか。
栗山監督「その成長がいいのか、悪いのか、僕はわかりませんけど、2つやれるだけの野球への取り組み方とか、生活の仕方というのは子供の頃からご両親が作ってくださった。それから高校時代に佐々木監督含めて高校時代の皆さんが作ってくださった。それを僕がたまたま引き継いだだけなので。プロに入った5年間よりもそこまでが非常に大きかったと思います。その皆さんのご苦労とか頑張りとか、少しでも我々球団として応えることができたのかなとは考えますけど、それは全て、これから翔平がアメリカで大活躍することになれば、良かったとということになるし。プレッシャーをかけるわけじゃないですけど、そう思います」
――栗山監督はあえて報道陣の前で厳しいことを言っていたが、大谷選手はどのように感じていたのか。
大谷「監督室では『体は大丈夫か』とか、(報道陣への言葉と)真逆の感じなので。表向きにそう言ってもらっていることに感謝していますし、僕のことを守るためにやっているんだなというのは、記事を見て感じるんじゃないかなと思うので。そこは本心、発信の意図を理解していたので、ありがたいなと思っていました」
――栗山監督は東京での会見でこれからも厳しい言葉を投げかけ続けると話していたが、今何か一言あるか。
栗山監督「何もないです(笑)。いや、でも、本当にファンの皆さんもそうだと思いますし、未知の世界に向かっていく中で、特に我々外国人選手が来てもそうですけど、選手を信じるしかなくて。(外国人選手は)中々言われにくい状況になってしまうと思うので。今度こそ、本人が怒るとしても、大切なことは伝え続けなければいけない。僕だけではなく、球団全員、そしてご両親も含めて責任はあると思うので、それは申し訳ないけど言わせてもらっていきます」
――東京の会見では一番になりたいと言っていたが、あらためて決意を。
大谷「覚悟というか、気持ちみたいなものは今まで言い続けてきたと思うので。今日実感しているのは、これだけの人に来てもらって、僕が入団した時にはない後押しだと思っています。あの時直接行くよりは、この5年間を踏まえて、これだけ多くの人に背中を押してもらえるといことは、僕にとってすごく大きなことなんじゃないかなと今日実感しました」