スタントンがヤンキース移籍で約32.6億円増税 大幅支出も貫いた優勝の夢
米メディアが専門家に試算依頼、ニューヨーク市内に住むと…
12月にマーリンズからヤンキースへ電撃移籍したジャンカルロ・スタントン外野手。元ヤンキースのデレク・ジーター氏らが中心となる投資家グループを新オーナーに迎えたマーリンズは、財政整理と合わせてチーム再建に取りかかっており、その第1弾として大型トレードを成立させた。スタントン自身「優勝できるチームでプレーしたい」と話し、トレード拒否権を行使せず。12月11日に行われた会見では、ピンストライプのユニフォームに袖を通し、満面の笑みを浮かべた。
スタントン獲得にはジャイアンツとカージナルスが本腰を入れ、両球団の首脳陣が直接口説きに出掛けたが、トレード拒否権が解除されることはなかった。元々スタントンがトレード移籍してもいいと考えていた球団リストの中に2球団の名前はなく、一方でヤンキースは入っていたという。ロサンゼルス近郊出身のスタントンは西海岸の球団を希望しているという噂が流れる裏で、ヤンキース入りへの思いは強かったのだろう。
2017年ナ・リーグMVPに輝いた大砲は、どれほどヤンキース入りを希望していたのか。その“熱意”を裏付ける興味深い事実を、米スポーツ専門サイト「ファンラグ・スポーツ」がリポート。実は、スタントンが生活拠点をフロリダからニューヨーク市内に移した場合、およそ2900万ドル(約32億6600万円)もの税金を追加で支払わなければならないという。約32億円を超える金銭的負担を受け入れてでも、ニューヨークに移籍したかった、というわけだ。
アメリカ合衆国では、個人の所得に対して連邦税と州税の2種類が課税される。州税は州によって税率が大きく異なり、ネバダ州、テキサス州、フロリダ州では税率は「0」。つまり連邦税だけを支払えばいい。だが、ニューヨーク州では高額所得者には9パーセントの州税が求められ、さらにニューヨーク市内に住む場合は3.9パーセントの市税も課せられるため、スタントンは収入の10パーセント以上を“追加納税”しなければならない。記事では、ニューヨークの税金専門家に試算を依頼したところ、来季から10年2億9500万ドル(約332億2100万円)の収入があるスタントンは約2900万ドル(約32億6600万円)を税金として納める必要があるとの結論に至ったと伝えている。
代理人を務めるジョエル・ウルフ氏は、スタントンと税金問題についても話をしたそうだが、ワールドシリーズ優勝という目標を果たすためだったら、追加で税金を支払うことも厭わないという姿勢だったそうだ。
高額納税額も物ともせずにヤンキース入りを果たした大砲は、悲願を叶えられるのか。来季から契約終了までの10年間に、1度とは言わず何度でも頂点に君臨したいところだろう。
(Full-Count編集部)