名人芸で歴代10位のセーブ数 “小さな守護神”が見せた投球術

日本ハムを退団し、来季から日本通運に復帰する武田久【写真:石川加奈子】
日本ハムを退団し、来季から日本通運に復帰する武田久【写真:石川加奈子】

今季限りで日本ハムを退団した武田久、際立った投球術

 武田久は徳島県の生光学園高校から駒澤大学、日本通運を経て、2002年のドラフト4巡目で日本ハムに入団した。

 入団当初から即戦力の中継ぎ投手として起用される。1年目は故障もあって1軍では13試合の登板にとどまったが、2軍では15試合1勝0敗、防御率1.02と格の違いを見せていた。しかし2年目に制球難に見舞われる。1軍では7試合の登板、7.1回を投げて11与四球の乱調。2軍暮らしが長くなる。

 2005年も夏までは2軍暮らしだったが、夏に昇格後は23試合、34.1回を投げて自責点3、防御率0.79の好成績を残した。

 以後、武田久は日本ハムの「勝利の方程式」に欠かせぬ存在になる。

 2006年にはリーグ最多の75試合に登板し、これも最多の40ホールド、最優秀中継ぎ投手になる。2006~2008年はクローザーのMICHEALにつなぐセットアッパーだったが、2009年にはクローザーに指名される。ここから5年間で3度の最多セーブ、4度の30セーブ以上を記録。リーグを代表するクローザーになる。

 武田久は、クローザーとしてはそれほど制球力は良くない。また被安打も多い。WHIP(1イニング当たりの被安打、与四死球による走者数)は1.2前後。これは救援投手としては優秀とは言えないが、塁上に走者を置いても動じず、後続を断つのが持ち味だった。

打者翻弄、「どこからボールが出てくるかわからない」

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