【3割打者を考える(2)】なぜ、3割打者は時代を超えて「優秀」なのか?
BABIPと打率の関連性は…
個々の選手のシーズン毎のBABIPは変化するが、長期的なスパンで見ると、ほぼ3割に収束すると言われる。好成績を上げている投手でBABIPが3割を大きく下回る投手は「運」のおかげで成績が良く、いずれ成績は下落し、逆に成績不振の投手でBABIPが3割を大きく越えている投手は、いずれ成績は上がっていくとされる。そして、高打率を上げている打者でBABIPが良い打者は「運」が味方しているので、これも成績はいずれ下降し、反対もまた然りとされている。
今年のパ・リーグのリーグ打率は.251、リーグBABIPは.301、セ・リーグのリーグ打率は.250、リーグBABIPは.299。MLBのア・リーグのリーグ打率は.254、リーグBABIPは.307、ナ・リーグのリーグ打率は.260、BABIPは.304だ。
BABIPは3割前後となっている。打率は、BABIPに本塁打と三振、犠飛の数字を加味したものだが、数字が大きくなる三振数に影響されるため、BABIPを上回ることはない。つまり、3割以下に収まることになる。プロ野球が始まって以来「3割打者」が優秀とされるところには、BABIPが3割に収束することにも関係しているだろう。
しかし、疑問は残る。なぜ、BABIPは3割に収束し、変化しないのだろう? 次回はその謎に迫る。
(広尾晃 / Koh Hiroo)