【3割打者を考える(5)】昔も今も変わらぬ「3割」の価値と「伝統を愛する心」

1936年秋以来、NPBで3割に達した打者は…

 NPBでは1936年秋のシーズンから個人成績を表彰している。以来81年、規定打席(打数の時代もあった)に達した選手は延べ5063人に上る。このうち3割打者は1144人。全体の22.6%だ。

○3割到達回数の10傑

16回 張本勲
13回 王貞治
12回 川上哲治
12回 落合博満
11回 若松勉
11回 前田智徳
11回 長嶋茂雄
10回 小笠原道大
10回 門田博光
9回 L.リー
9回 加藤秀司
9回 山内和弘
9回 大下弘

○3割到達回数の現役5傑

8回 内川聖一
7回 松井稼頭央
6回 糸井嘉男
5回 福浦和也
5回 福留孝介

他にも以下の2人がいる。

7回 イチロー
6回 青木宣親

 彼らはこの数字のために骨身を削って努力をし、投手と虚々実々のかけひきをし、時には全力疾走し、時には滑り込んで、塁を奪おうとした。3割は努力と才能の結果なのだ。

 2017年は両リーグ合わせて55人が規定打席に達したが、3割打者はパ2人、セ7人の9人だけだった。

 1世紀の風雪を経て「3割打者」の価値はいささかも色褪せない。今年は何人が「3割打者」の称号を得るのだろうか。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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