メジャーFA市場が冷え込む理由はダルビッシュにあり!? 米メディアが指摘
来オフを見据えた各球団の“買い渋り”も一因に
MLBのストーブリーグは今オフ異常事態を迎えている。大物FA選手の新天地が遅々として決まらず、まさに膠着状態。米メディアでは、FA市場が凍り付いた要因の1つとして、FA先発投手で最高評価を手にしているダルビッシュ有投手を挙げ、さらにその新天地に大谷翔平投手の加入するエンゼルスを予想した。
「なぜ熱いはずのストーブシーズンがここまで冷え切っているのか。熱を帯びた時には何が起こるのか?」と特集したのは、米スポーツ専門局「ESPN」公式サイトだった。
3人のコラムニストが座談会方式でそれぞれ考察を加えているが、データ解析に定評のあるデビッド・スコーエンフィールド記者は投打FAの目玉選手について厳しく分析し、市場停滞の一因だと指摘している。
「すべてはお金だ。選手たちは過剰な要求をし、チームは彼らに払いたがらない。もちろん、それはいつものことだ。しかし、今冬はトップ選手でさえ傷ものだ。最高の先発投手は過去にトミー・ジョン手術を受け、ワールドシリーズでとんでもない2試合を終えたばかり。最高の打者も両翼しか守れない30歳で守備にやや難がある。それでも、ユウ・ダルビッシュとJ.D.マルティネスは1億5000万ドル(約169億5100万円)の契約を手に入れるかもしれない」
ダルビッシュは2015年にトミー・ジョン手術を受け、昨季が術後初めてシーズンを通じて戦った。7月31日にレンジャーズからドジャースにトレード移籍。優勝請負人の期待がかかったが、アストロズと戦ったワールドシリーズ(WS)では先発した2試合で炎上してしまった。右肘の既往歴とWS2戦がダルビッシュのFA市場での価値に影響を与えているという。
マルティネスは昨年のトレード期限でタイガースからダイヤモンドバックスに移籍。打率.303、45本塁打、104打点と爆発し、チームのプレーオフ進出に貢献したが、守備面でのパフォーマンスと30歳という年齢をマイナス要素に挙げている。
ブライス・ハーパー外野手(ナショナルズ)、マニー・マチャド内野手(オリオールズ)、ジョシュ・ドナルドソン内野手(ブルージェイズ)らスター軍団がFAとなる来オフを見据え、今季オフは各球団が緊縮財政にある。そのため、選手サイドが求める金額を出し渋っている事情も一因として指摘した。
記事では、ダルビッシュとジェイク・アリエッタ投手(カブスFA)の新天地もテーマに挙がった。この中で、ブラッドフォード・ドゥーリトル記者は「ダルビッシュはエンゼルス、そしてアリエッタはカブス」と予想。サム・ミラー記者は「(ダルビッシュは)エンゼルスと(アリエッタは)カブス」と断言している。スコーエンフィールド記者は「ダルビッシュはカブスで、アリエッタはレンジャーズ。ツインズはどちらかの大穴で」と分析したが、実に3人のうち2人がダルビッシュと大谷が並ぶ豪華ローテ実現を予測した。
大谷とダルビッシュがエンゼルスの先発ローテ競演が実現すれば、来季MLBの大きな目玉になりそうだ。
(Full-Count編集部)