ソフトバンクの2018年ブレイク候補筆頭 20歳左腕の分岐点となった一戦
分岐点となったファーム広島戦、2回5Kの快投に「コレだ!」
昨季、笠谷には己の変化、成長を感じた一戦があったという。7月28日、タマホームスタジアム筑後で行われたウエスタン・リーグ広島戦。7回から4番手でマウンドに上がると、後にウエスタンリーグを制し、ファーム日本一にも輝いた相手に対し、圧巻のピッチングを見せた。
7回は先頭の小窪を見逃し三振に切ると、3者連続三振。8回先頭の代打・美間にはヒットを許したが、船越、庄司と連続三振に切った。2イニングを投げて5三振。ストレートは常時140キロ台中盤をマークした。「あの時に手応えがあった。あの試合がターニングポイントですね。イメージしていたのがコレだ!と。力感なく投げてもボールがいっていて、コレやと思いました」。やってきたことは間違いではなかった、そう確信できた瞬間だった。
2年目となる和田毅との自主トレ。今年は育成選手の伊藤祐介、斎藤誠哉の2人が加わり、1月半ばからは昨季のドラフト1位・田中正義も参加する。昨年の2人から5人に増えるが、笠谷は“和田門下”では1年先輩だ。「継続してやっていって理解できること。去年は初めてで緊張とかもあって聞けなかったことがある。今年はどんどん聞いていきたいと思います」。より一層の成長を遂げるために、1年目以上に積極的な姿勢でいる。
「元は先発なんで、先発で勝ちを挙げたいです。体力もいりますし、それも意識してやっていきます。左投手は先発が華なので、チャンスがあればそれを掴みにいきたい。監督の期待に応えたいというのはありますし、それだけのものを見せないといけないと思っています。チャンスを掴んでいきたい」と、笠谷は2018年の目標を掲げた。
2017年は石川柊太、甲斐拓也、上林誠知などが台頭した。2018年、彼らに続く存在となるのは、この男かもしれない。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)