【投手の球数を考える】メッセと藤浪、投球数の比較で浮かび上がる一つの仮説
2015年にさらなる飛躍を遂げた藤浪、“スタミナ”でもメッセンジャー超え
1回当たりの投球数は15球が目安となる。メッセンジャーは2年とも打者1人当たりの球数は16球を大きく超え、1登板当たりの球数も110球前後と、効率的とは言えない投球をしながら、故障することもなく3000球を優に超える球数を投げていた。
1年目の藤浪は、高卒1年目だけに投球数が100球に制限され、投球数は2252球にとどまっていたが、翌2014年は2844球。1登板当たりの球数も、1人当たりの球数もメッセンジャーとよく似た数字になった。
〇2015年
1藤浪晋太郎(神)3374球(1登板120.5球 1回16.95球)
2メッセンジャー(神)3255球(1登板112.2球 1回16.81球)
3大野雄大(中)3250球(1登板116.1球 1回15.68球)
4前田健太(広)3189球(1登板110球 1回15.46球)
5ジョンソン(広)3174球(1登板113.4球 1回16.33球)
この年、藤浪はメッセンジャーを上回る3374球を投げる。1登板当たりの球数も120球を超えた。2016年だけを見れば、藤浪はメッセンジャーよりもスタミナがあったことになる。
〇2016年
1メッセンジャー(神)3218球(1登板114.9球 1回17.36球)
2藤浪晋太郎(神)2948球(1登板113.4球 1回17.44球)
3ジョンソン(広)2895球(1登板111.3球 1回16.05球)
4菅野智之(巨)2863球(1登板110.1球 1回15.62球)
5田口麗斗(巨)2636球(1登板101.4球 1回16.27球)
メッセンジャーは2016年も変わらず3000球を優に上回る投球を続けたが、藤浪は3000球を割り込む。それだけでなく、7勝11敗と勝ち星が減った。