日本人先発4人の今季予想成績を比較 勝率&防御率トップはなんと大谷!

エンゼルスでの活躍が期待される大谷(左)とダルビッシュ有【写真:田口有史】
エンゼルスでの活躍が期待される大谷(左)とダルビッシュ有【写真:田口有史】

米データサイトが算出、勝利数ではダルビッシュと田中が上回るも…

 今季メジャー開幕まで、まだ2か月以上も時間はあるが、米メディアでは早くもさまざまな形で成績予想が行われている。米データ専門サイト「ファングラフス」では「スチーマー」と呼ばれる成績予想システムを使って、選手個々の2018シーズンの成績予想を行っている。それでは「スチーマー」は日本人メジャーリーガーが今季はどんな働きをすると予測しているのだろうか。現在フリーエージェント(FA)として所属先を探すダルビッシュ有投手、ヤンキース田中将大投手、ドジャース前田健太投手、そして今季からエンゼルスに加入した大谷翔平投手という4人の日本人先発投手の予想成績を比較してみたい。

 まず「スチーマー」が算出した4投手の今季成績予想を見てみよう。参考までに、右肩手術からの復帰を目指す岩隈久志投手(マリナーズ)の予想成績も併記した。

○ダルビッシュ有投手
29試合(179回)12勝9敗 防護率3.82 被打率.231 K/BB3.59 WAR3.6
○田中将大投手
29試合(176回)12勝9敗 防御率3.98 被打率.250 K/BB4.18 WAR3.3
○前田健太投手
24試合(135回)9勝8敗 防御率4.18 被打率.244 K/BB3.59 WAR1.7
○大谷翔平投手
24試合(148回)11勝7敗 防御率3.48 被打率.215 K/BB3.11 WAR3.1
○岩隈久志投手
11試合(66回)4勝4敗 防御率4.92 被打率.278 K/BB2.62 WAR0.4

「スチーマー」の算出した勝敗を見ると、ダルビッシュと田中が同じ12勝9敗の予想で、大谷は2桁の11勝7敗となっている。メジャー移籍から2年連続で2桁勝利を飾っている前田は、一歩及ばずの9勝8敗だ。勝ち星ではダルビッシュと田中がトップだが、実は勝率を見てみると2人が.571であるのに対し、大谷は.611と大きく上回ることになる。大谷の勝ち星が伸びないのは、ダルビッシュと田中は先発5人ローテ(29試合)で回ると予測されているのに対し、大谷は先発6人ローテ(24試合)で投げると予測されていることが大きく影響しているだろう。

 また防御率に目を向けると、ダルビッシュ(3.82)が田中(3.98)をやや上回るが、そのダルビッシュを凌ぐのが大谷だ。メジャーで防御率3.48といえば及第点以上。各リーグの上位10人に入ってもおかしくない好成績が予想されている。被打率は大谷が圧倒的勝利。初対戦の場合は打者より投手の方が有利だと一般に言われるが、今季がメジャー1年目という事実も加味されているのだろう。

 最後に、チームの勝利に対する貢献度を示す指標=WARを比較してみると、最も高い数値はダルビッシュの3.6。続いて田中(3.3)、大谷(3.1)、前田(1.7)となっている。WARは3.0~4.0がレギュラー以上オールスター以下という位置づけの好選手として評価される。今オフのFA市場で最高の先発投手とされるダルビッシュは、さすがに4人の中で最高のWAR値を記録した。

 今季所属先が決まっていないダルビッシュは、契約するチームにより、勝敗数が大きく変わる可能性は高い。それでも現時点ではメジャー1年目の大谷が、勝率、防御率、被打率で3人の先輩を上回る予想がされている。大谷は成績予想システムが算出した数字に近い成績を残すのか。あるいはじっくり育成のために1年を費やすのか。はたまた予想を大きく超える偉業を成し遂げるのか。シーズン終了後にこの数字を見返してみると面白いかもしれない。

(Full-Count編集部)

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