甲子園勝利数、優勝数は最多 強豪の土台築いた亡き指導者の殿堂入り
甲子園勝利数、優勝数は最多
中京商業は、現在は中京大中京高校と名称が変わっているが、甲子園の勝利数133(春55勝、夏78勝)、優勝11回(春4回、夏7回)は、いずれも史上最多だ。瀧氏は、名門中の名門、中京大中京の「中興の祖」というべき功績を残した。
1956年には新設された中京大学の初代野球部長に就任。新興の中京大野球部を日本屈指の強豪に育て上げた。2017年時点で、中京大学は愛知大学野球連盟の1部リーグで、愛知学院大の47回に続く、38回の優勝を遂げている。この名門野球部の礎を築いたのも瀧部長だった。
高校時代の教え子には中山俊丈(中日83勝90敗)、伊藤竜彦(中日・近鉄546安打33本塁打)、大学では木俣達彦(中日1876安打285本塁打)、栽弘義(豊見城高校、沖縄水産・監督)、竹本修(市立尼崎高監督)などがいる。
瀧氏は高校野球、大学野球の指導者としてだけではなく、部長、管理職として卓越した手腕を発揮した。2012年4月2日、90歳で没。瀧氏は2013年に特別表彰の候補者になっていた。存命中に殿堂入りがならなかったことが惜しまれるところだ。
(広尾晃 / Koh Hiroo)