試合時間短縮の新ルール、選手反発の裏に見えざる攻防「せめて“五分五分”に」
試合時間短縮の新ルール、選手はなぜ反発? 現役投手が理由を解説
試合時間の短縮の一環として新たな施策を講じる可能性が浮上している大リーグ。このほどコミッショナーのロブ・マンフレッド氏が投球間隔を20秒以内に制限することや捕手がマウンドに行ける回数を1投手につき1イニング1回に制限するプランを提示し、選手会側が拒否したことが米国内で報じられた。
これについてメジャーの現役投手が自身のツイッターで新たな規制に反発する理由について言及した。見解を示したのは昨年のワールドシリーズを制したアストロズのランス・マッカラーズ・ジュニア投手。昨季は初のオールスター出場を果たし、ワールドシリーズ第3戦ではダルビッシュ有投手と投げ合って勝利している24歳の若手右腕だ。
マッカラーズはツイッター上で「あなたはピッチクロック(投球間の時間)とマウンドに出向く回数の制限に賛成ですか? その理由を教えてください」との質問を受けて回答。なぜ選手会がこの申し出を拒否したのか、MLBのバッテリーが抱える悩みを明らかにしている。
「マウンドに出向く回数を制限することはできない。特にキャッチャーからはね。誰もがサインを盗むために最先端の技術を利用しているんだ。せめて“五分五分”な状態にするためにも、サインを頻繁に変える必要があるんだよ。そして、僕は相手走者が二塁にいる時には、サインについての話はしないようにしている」
マッカラーズは反発する理由の一つをこう説明している。
メジャーでは昨季もレッドソックスが腕時計型端末「アップルウォッチ」を利用して捕手のサインを盗み、選手に伝達していたことが話題となったばかり。キャッチャーが頻繁にマウンドに足を運ばなければいけない理由は、危機に陥った投手を落ち着かせること以外にもあるようだ。
ダルビッシュもメジャーの投手事情を丁寧に解説した同選手のツイートをリツイートしており、同じ思いを抱える投手は少なくなさそう。マンフレッド氏は時間短縮に敬遠の申告制など様々な施策を打ち出しており、今回の新ルールは選手会の同意を得ることなく導入する可能性も浮上しているが、選手サイドからは大きな反発を招きそうだ。
(Full-Count編集部)