「サードしかない」―鷹・松田が激白、“歴代最高”への思いとグラブの秘密
7度目のゴールデングラブ賞なら三塁手で単独トップ「モチベーションです」
昨季はシーズン中に内川聖一内野手、アルフレド・デスパイネ外野手、柳田悠岐外野手ら主軸が次々と離脱。崩れてもおかしくない中で、底力を見せつけた。その中心にいたのが松田。「『僕は離脱しないぞ』という思いで、とにかく出続ける、グラウンドに立ち続けるという思いだけでやりましたよね。使っていただけることに感謝しながら、結局、3年連続で全試合に出られたので、良かった。やっぱり野手は出続けてなんぼだと思うし」。WBCのために、外国人投手の動くボールに対応しようとしていたことで、開幕直後は日本人投手の直球が「綺麗すぎてバットに当たらない」という苦しさもあったという。
その中で掴んだ価値ある日本一。今季は当然、日本一連覇が最大のターゲットとなるが、個人の目標も明確だ。2年前にはホームラン王を目標に掲げるなど、打撃へのこだわりも強い松田。しかし、今年の目標は違うところに置いている。
「それ(本塁打)も大事やと思うんですけど、僕はそういうタイプではない。継続しているものが何個かある中で、今年は4年連続全試合出場と6年連続ゴールデングラブ賞が目標です。出続ける、取り続ける。この『続ける』に今年は重きを置いてやりたい。そうすれば自然と試合数を重ねるし、バッティングの数字も上がると思うんです」
特に、6年連続7度目のゴールデングラブ賞には大きな価値がある。「7回って歴代のサードで最多なんですよ。今6回で並んでると聞いたので、そこもモチベーションですね。今年は守備から目標を立てていこうかと思っているんでね」。三塁手部門でのゴールデングラブ賞6度は掛布雅之、岩村明憲に並んで最多タイ。“単独歴代最高“の三塁手までは、あと1つだ。
松田にとって、サードは特別なポジション。2年前のオフには、海外FA権を行使してメジャー移籍の可能性も浮上したが、守備力を生かして二塁や遊撃も守る「ユーティリティー選手」として起用されるという方針に疑問を感じたことも、日本に留まった大きな理由の1つだった。松田は、サードへのこだわりから年々“進化”を遂げているというグラブの秘密も明かす。