「愛斗」と「愛也」―2018年は西武の未来を担う2人の花咲徳栄OBに注目
2学年違いの先輩・後輩、共通点の多い2人の若手有望株
昨年、花咲徳栄高校が埼玉県勢で初めて夏の甲子園を制覇した。そして、埼玉県に本拠地を置く埼玉西武には、将来性豊かな2人の花咲徳栄OBが在籍している。2歳上の先輩にあたる愛斗外野手と、2017年ドラフト2位の高卒ルーキー・西川愛也内野手だ。
愛斗は、高卒3年目の20歳。2015年の夏の甲子園では、初戦でランニング2ランを放つなど大きな話題を呼んだ。プロ2年目の昨年は、ファームで43試合、8本塁打、打率.358という好成績。長打率.615は、高卒2年目の野手としては驚異的な数字だ。今年は1軍でひとつでも多く、自身の背中にバットが触れるほどのあの爽快なスイングを見せてほしい。
そして後輩にあたる西川は、昨夏の甲子園で埼玉県勢の悲願を達成した、花咲徳栄高校の優勝メンバーだ。全ての試合で9得点以上を挙げた超強力打線の中軸を担い、その年のドラフトで埼玉西武から2位指名を受ける。「絶対欲しかった」という渡辺久信SD兼編成部長のコメントからは、チームが西川に寄せる期待の大きさがよく分かる。
西川は、ベルトの高さほどの低い位置でバットを構え、相手投手が投球動作を開始したと同時にトップまで持っていく独特のフォームで、広角に打球を打ち分ける。俊足の中距離打者タイプだが、パンチ力も兼ね備え、ドラフト指名直後には「トリプルスリーをとる」と意気込んでいた。また、1月上旬に行われた新人合同自主トレのポール間走では、涼しい顔で先頭を走り、「目立ちたかった」とさらりと言ってのけた。
プレー以外における西川の魅力として、その端正なルックスを忘れてはいけない。180センチの長身で脚が長く、彫りの深い顔立ち。さらに愛斗は西川にとって、1年生の時の3年生。同じ大阪府堺市出身で、中学時代も同じ野球チームに所属していた。愛斗と愛也という2人の名前からも、縁を感じずにいられない。
埼玉西武はパ・リーグの中でも打撃が自慢のチームであり、愛斗と西川には、まだまだ乗り越えなくてはならない高い壁が数多く待ち構えていることは確かだ。しかし、この2人には将来の獅子打線をけん引する資質が十分にある。ベテラン・中堅の活躍はもちろんのことだが、今年の埼玉西武は若手の活躍からも目が離せない。