選抜決勝を戦った2人の主将のその後 交わる運命に抱く思い

舞台は甲子園から神宮へ、再びライバルたちと火花を散らす

「自分に持っていないものを福井は持っていますね。それは羨ましい部分もありますが、福井にないものを自分も持っていると思います。2人で力を合わせる部分は合わせて、4年間しっかりプレーしていきたいです。自分は初めての寮生活。どうなっていくのか分かりませんが、自分が成長していけるためのとても良い環境だと思います。4年になったら、福井がキャプテンになって欲しいですね。自分は……キャプテンはもういいかなと(笑)」

 同じ東京六大学リーグでは、大阪桐蔭のエースだった徳山(早大)、履正社のエース・竹田(明大)、捕手の片山(立大)などチームメイトやライバルとまた同じ土俵で対戦する。大阪で火花を散らした仲間やライバル同士で、今度は学生野球の聖地を盛り上げるつもりだ。

 目標や夢へ胸を膨らませながらも、福井は最後にこう言って表情を引き締める。

「甲子園で決勝に出たキャプテンが来ると、周囲のハードルが高くなっていると思います。期待は大きいと思いますが、高校での経験を生かして、また4年間日本一を目指していきたいです。大学は自主練習が多いと聞いているので、周囲に流されず、自分のやるべきことをブレずにやっていくことも大事。大学ではリーグ戦を経て日本一になれるチャンスが8回あるので、そのうち3回ぐらいはリーグ優勝して日本一に挑戦したい。早慶戦にも早く出てみたいです」

“野球界の元旦”と言われる2月1日はプロ野球のキャンプインの日。同じくして故郷を離れ、新たな野球人生のスタートラインに立つ18歳がたくさんいる。激戦地・大阪で培った競争心を武器にし、2人の未踏の地での戦いが間もなくスタートする。

(沢井史 / Fumi Sawai)

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