「一番怖いのは…」 ハム栗山監督が指摘するリクエスト制度への懸念点とは
審判団の判断に「映像で見てもわからないな、という時もある」
日本ハムの栗山英樹監督が今季から導入される「リクエスト」制度の“リスク”を指摘した。
リクエスト制度に関しては今年1月に都内で12球団監督会議が開かれ日本野球機構(NPB)からの説明が行われたばかり。栗山監督は現時点で、審判団に問い合わせていないというが、「一番、怖いのは映像に映らなくても、それ(リクエスト)は失敗だということ」と懸念点を指摘した。
例えばクロスプレーの際に捕手のグラブにホームベースと走者の手、足が隠れアウト、セーフの判定ができなかった場合など、審判団が映像を見ても判断ができない場合はどうするのか。指揮官は「映像で『お前らが間違っていた』と言って1つ消えるのはいいんだけど、(確認の)映像に映っていなくてそのままっていうのは、『失敗』になるのは少し違う。これ絶対に映像で見ても分からないな、という時もある」と口にした。
審判団が検証に入る際には球場のビジョンにも同じ映像が流れるようになる。ファン、選手、首脳陣、誰がどう見ても判断できない映像が映し出されれば、より判断は難しいものになる。リクエストは1試合2回(延長に入ればプラス1回)までで、判定が覆った場合はカウントされないことになっている。曖昧な形で権利だけを失うのは避けたいところだ。
「野球のために少しでもいいものをと考えると、最初は整理しなきゃいけない。やりながら整理されていくことが大事。最初からいいものはできない。野球の本質から言うと意見はある。でも、それが野球のためにと言われたらこっちはなんでもするし、その形で一番可能性のあるものを見つける」と指揮官。
メジャーリーグではベンチ内で首脳陣、コーチたちが映像を見てから「チャレンジ」を使用することができるが、日本で導入される新制度は映像を確認していからの申告は不可となっている。同制度はオープン戦から導入される予定となっており、シーズンが始まるまでに試行錯誤を重ねていくことになりそうだ。
(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)