地上10センチの芸術 ホークスドラ2右腕のリリースポイントが凄い
専修大からドラフト2位で入団したサブマリンの高橋礼
ひと目見れば、目を奪われる。ブルペンで投じられる異質の球筋。地面スレスレから飛び出した弾道は、浮き上がるようにしてキャッチャーのミットに飛び込んでいく。ボールの主は、ソフトバンクのドラフト2位ルーキー、高橋礼投手である。
専大松戸高校から専修大へ進み、プロの門を叩いたアンダーハンドの右腕。身長187センチの長身を屈めながら、長い腕を存分に使って投じられるボールは、やはり独特の軌道を描く。キャンプは若手中心のB組スタート。「まだ打者も立っていないので、どうボールに打者が反応するか分からないですが、感覚としてはいい感覚でやれています」。球界でも珍しい投球フォームも相まって、その存在感は際立っていた。
とにかくリリースポイントが低い。見ていると、地面スレスレを右手が通っていく。リリースの瞬間、その風で、グラウンドの土が舞い上がることもある。本人曰く「下半身のブレが大きいと、地面に手が当たることもあります」。
珍しいサブマリンの投手。牧田和久がパドレス移籍し、現在の日本プロ野球ではヤクルトの山中浩史、西武のドラフト5位ルーキー與座海人くらい。これまで元ロッテの渡辺俊介投手をお手本としてきた高橋礼は「地面から浮き上がってくるような球筋が理想ですね」という。地上10センチの芸術とでも言おうか。楽しみな投手であり、是非とも注目してもらいたい選手だ。