【カリビアンS】プエルトリコ代表が2年連続決勝へ 指揮官「我々には高いモチベーションがある」
巨大ハリケーンで被災「国民のために勝つことができて満足」
カリビアンシリーズ準決勝が7日(日本時間8日)、メキシコ・グアダラハラで行われ、連覇を狙うプエルトリコ代表のクリオージョ・デ・カグアスがベネズエラ代表のカリベス・デ・アンソアテギを6-5で下し、2年連続の決勝進出を果たした。
プエルトリコは5回まではわずか1安打。二塁すら踏めない苦しい展開が続いていたが、0-4で迎えた6回に試合を振り出しに戻した。1死から3連打で満塁のチャンスを作ると、今年1月にアスレチックスとマイナー契約を結び、今大会後、スプリングキャンプに参加予定の26歳「3番・右翼」のアンソニー・ガルシア外野手が3試合連続本塁打となる左越えグランドスラム。ど真ん中に甘く入った失投を逃さなかった。
プエルトリコは7回にベネズエラに再び勝ち越しを許したが、8回に2安打と相手の失策に付け込み、2点を奪って逆転。そのまま逃げ切った。
両チーム合わせて12人の投手を送り込む総力戦。見事な逆転での勝利に、ルイス・マトス監督は「チャンスを待ち続け、ようやく巡ってきたチャンスで得点をあげることができた。昨年も優勝することができたが、今年はより強い気持ちで戦うことができている。我々には高いモチベーションがある」と笑顔。
昨年9月に全土を襲った巨大ハリケーンの影響で、国内は今も「十分な水がなく、レストランでも満足いく食事をすることができない」状態だといい「プエルトリコ国民のために勝つことができて満足している」と胸を張った。3試合連続本塁打のガルシアは「フェンスを越えてくれと思った。嬉しい本塁打になった。これが我々の仕事だからね。大会でMVPを獲得することよりも、打点をあげることのほうが大事だよ」と、目を輝かせた。
ベネズエラは元日本ハムの「5番・DH」ルイス・ヒメネス内野手が2打数1安打2四球で3度出塁し、チャンスを作ったが、あと一歩及ばず。ベネズエラ代表として9年ぶり、アンソアテギとしては初となるカリブの頂点の座をつかむことはできなかった。オマール・ロペス監督は「とても難しい試合だった。投手陣は高いレベルの投球をしてくれたが、これが野球だ」と苦い顔。「8回の失点が痛かった。今日は点の取られ方が悪かった」と、効率よく得点を重ねたプエルトリコ打線を称えた。
(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)