【カリビアンS】復興目指すプエルトリコが5度目の優勝 ドミニカは元中日バルデス好投も…
逆転勝ちで2年連続制覇「国のために戦った」、ドミニカは元巨人オビスポ痛恨被弾
カリビアンシリーズ決勝が8日(日本時間9日)、メキシコのグアダラハラで行われ、プエルトリコ代表のクリオージョス・デ・カグアスがドミニカ共和国代表のアギラス・シバエーニャスに9-4で逆転勝ちし、2年連続5度目の優勝を果たした。
同一チームによる連覇は大会史上3度目で、プエルトリコ勢では初。昨年に続き、カリブの頂点に輝いたルイス・マトス監督は「難しい試合だったが、選手たちは諦めずによく戦ってくれた。ブルペン陣も追加点を与えずによく投げてくれた」と、チーム一丸となって逆転勝ちを収めたナインを称えた。
前日7日(同8日)の準決勝まで3試合連続本塁打を放ち、大会MVPに輝いたアンソニー・ガルシア外野手は「プエルトリコにとって難しい大会だったが、国民のために勝つことができてとても満足している」と、興奮冷めやらぬ様子。ヘスムエル・バレンティン内野手は「全員が国のために戦った。楽しむことができたよ。プエルトリコ野球界にとって大きな勝利だ。他に言うことはない」と、まくしたてた。昨年9月に全土を襲った巨大ハリケーンの被害からの復興を目指すプエルトリコ国民への、これ以上ない大きなプレゼントとなった。
試合をひっくり返したのは、8番を打つ23歳のジョナサン・モラレス捕手だった。国内のウインターリーグ開幕がハリケーンの影響で延期され、急きょドミニカ共和国に渡って出場機会を求めたが、プエルトリコよりもレベルの高いドミニカ共和国で厚い選手層に阻まれ、わずか4試合しか出場できなかった苦労人。1点差に迫った7回1死一、二塁のチャンスでドミニカ共和国代表の3番手、元巨人、日本ハムのウィルフィン・オビスポ投手の失投を完璧に捉え、左中間スタンドへと運んだ。昨年のレギュラーシーズン中は主に2Aでプレーし、1年でわずか3本塁打しか放っていない伏兵が、決勝の大舞台で大きな仕事をやってのけた。
ドミニカ共和国は昨年まで中日でプレーした先発ラウル・バルデス投手が7回途中までプエルトリコ打線を2安打1失点に抑えていたが、7回に2四球を与えて降板すると、2番手投手が連打を許し、1点差に。さらに3番手オビスポが逆転3ランを許し、掴みかけていた白星と優勝を逃した。
なお、大会ベストナインには昨年ロッテでプレーしたキューバ代表のロエル・サントス外野手も選ばれた。
(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)