115キロ井上も「年間6盗塁」ノルマ 発想の転換で走塁徹底、新生ロッテの野望

自宅のカレンダーにシール、気持ちに変化

 島田臨時コーチの教えはシンプルかつ的確だった。若き日の指揮官も同じようにアドバイスを受けて01年に初めて盗塁王のタイトルに手にした。具体的な目標に向かって挑戦し、最低でも週に1回は盗塁をする。できれば月に5回は盗塁を決める。それが与えられた数字だった。

 自宅のカレンダーには盗塁をするたびにシールを貼って、より自覚を持って挑んだ。具体的な目標に向かって進むことで気持ち的な変化が起きた。それと同時に様々な変化も感じることができた。投手の配球や特徴。走者として次の塁を狙おうとアンテナを張り巡らせることで今まで見えなかったいろいろなことを発見することができた。そんな若き日の経験から指揮官は選手に具体的な盗塁の目標値を設定し、次の塁を狙うことに興味を持ってもらうことで、結果的に走塁以外の野球のすべてが好循環することも知って欲しいと願っている。

「走塁の意識はだいぶ上がっている。だけど、もっともっと上げていきたい。本拠地のZOZOマリンスタジアムは広い。なかなかホームランはない。だから単打を二塁打に。二塁打を三塁打にしていく必要がある。単打を打ったなら隙を見つけて二塁を陥れる。そして次の一打でホームインする。そういう野球を目指していきたい」。

 島田臨時コーチは2月10日にチームを離れた。井口監督は走塁練習を様々な角度からチェックをしながら新しいマリーンズに手ごたえを口にした。前年最下位からリーグ優勝した例は15年ヤクルトなど過去7球団。ただ、昨年のロッテは借金33。過去最大借金は50年松竹、76年巨人の29。すなわち2018年のマリーンズは史上最大の下克上に挑むことになる。若き新監督が掲げる機動破壊野球がパ・リーグの台風の目となる。

(マリーンズ球団広報 梶原紀章)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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