ここは九州? キャンプ地・日南の街を真っ赤に染める地元市民のカープ愛
地元民の熱い思い「うちらは歴史が違う」
油津駅の周辺は、ところどころに「赤化」したエリアがある。とくに天福球場への行き道にある商店街は、カープファンなら避けては通れない。真っ赤な鳥居の「鯉神社」、油津カープ館という施設まである。ここでは、カープ選手のシーズン中の活躍や、優勝シーン、キャンプでの練習風景などの写真、ユニフォームが展示されている。一瞬、自分がどこに居るのか忘れてしまいそうな熱気だ。カープファンはキャンプの帰りには、ここに立ち寄るのが恒例行事になっている。
商店街のすべての店舗が「広島カープセ・リーグ優勝おめでとう」のポスターを掲げている。この徹底ぶりもこの地ならではだ。
商店街を抜けると、天福球場の建物が見える。足もとの道路にはまるでレッドカーペットのような舗装が。これが名高い「カープ一本道」。この赤いラインは、天福球場まで続いている。横断歩道まで赤白に塗装する徹底ぶりだ。
JR日南線の駅にさしかかると、大量のこいのぼりが泳いでいるのが目に飛び込んでくる。風にはためくこいのぼりの大群は、広島東洋カープに対する住民の一方ならぬ思い入れを感じさせる。
セ・リーグ連覇で、日南市の盛り上がりはさらにすごいものになっている。
球場の近所に住んでいるおじさんは、犬を散歩させながら「うちらは歴史が違う。弱いときからずーっと見てきたから、気持ちの熱さが違う」と言った。愛犬に着せているウエアも、真っ赤だったのは言うまでもない。