「偉大な選手になる」―“元同僚助っ人”たちが米紙で証言、大谷の凄さと課題
マーティンが指摘する“課題”「彼はカウントを有利にする術を学ばないと」
一方、昨季までの同僚で、今季からレンジャーズと2年契約を結んだクリス・マーティン投手は「打者・大谷」がメジャーの洗礼を受ける可能性も示唆している。「(日本の投手は)打者に対するリスペクトの気持ちが高いんだ。彼らは内角に投げたがらないし、死球で怪我を負わせることを嫌がるんだ。メジャーではそんなことは起きない。内角を攻めて、窮屈にさせてこようとする投手に対してアジャストしないといけない」。大谷はメジャーの投手の内角攻めに対応する必要があると、マーティンは同紙の取材に対して提言している。
大谷の日本での死球数は1170打席でわずか「4」というデータもある。マーティン同様、メジャーで大谷が「内角攻め」にあうことを危惧する声は多い。ただ、それは杞憂だという意見もある。「彼の腕の動きはあまりにも早くてね。すぐに回転して、ライトスタンドに打ち込んでしまうんだ。彼は本当に早く順応すると思うよ」。2016年に日本ハムでプレーし、カブスとマイナー契約を結んだアンソニー・バース投手は、大谷が内角に強い打者であると記事の中で証言。「内角攻め」は意味をなさないと分析しているのだ。
「打者・大谷」には、課題があるという。では、「投手・大谷」にはないのか。大谷は自身について、まだ成長過程の選手だと話しており、エンゼルスのビリー・エップラーGMも他の25歳と同様に育成段階だという認識を示している。すぐに結果を出すことは求めないという方針だ。チームメートだったマーティンは、日本での大谷のピッチングから“改善“の必要も感じているようだ。
「彼は一旦トラブルに陥ると、そこから全力を注ぎ込むことが見てとてる。まったくフェアじゃないよ。彼が本気になると、本当に彼にとっては余裕になってしまうんだ。彼は丁寧に投げすぎて、逆にトラブルになる。不利なカウントになる。彼のファストボールは日本では強力すぎるので、ピンチをそれで抜け出せるんだ。アメリカでは、彼はカウントを有利にする術を学ばないといけないね」
大谷ほどの平均球速を誇る先発投手は、メジャーにもほとんどいない。だが、剛速球を武器にする投手が日本に比べて多いことも確か。カウントを有利にする投球術が成功の鍵になるのではないかと、マーティンは“アドバイス”している。
日本ハムで大谷を知る人間は、その成功に疑念を抱いていない。バースは特集の中で「彼は偉大な選手になると思うよ。メジャーでのプレーを見るのを心待ちにしているんだ。彼にどれだけ才能があるのか、世界はわかっちゃいないんだからね」と太鼓判を押している。今季のMLB最大の注目となっている二刀流のスーパースターは、どんなルーキーシーズンを送るのだろうか。
(Full-Count編集部)