日ハム栗山監督、大谷訪問に刺激 「順調そう?」に笑み「なんでオレが…」
“独り立ち”には「大丈夫」、新シーズンへ「翔平が抜けたから、と言われるのは絶対ダメ」
ポスティングシステム(入札制度)でエンゼルスに移籍した大谷翔平投手が11日(日本時間12日)、アリゾナ州スコッツデールで行われている“古巣”日本ハムのキャンプを電撃訪問した。グラウンドで談笑した栗山英樹監督は、メジャーでの成功へ向けてあらためてエール。日本ハムからの“独り立ち”に「大丈夫」と太鼓判を押した。
大谷は日本ハムが練習を行っているダイヤモンドバックスのキャンプ施設に颯爽と登場。スタッフ、選手に挨拶して回った。栗山監督とは談笑。すでにエンゼルスのキャンプ施設で自主トレを行っていることもあり、設備の違いなどについて話したという。
本人は取材対応することなくグラウンドを後に。栗山監督も最初は会話の内容について「向こうの施設とか色んな話もしたし、まぁ色々」と詳しく明かすことはなかったが、徐々に“かつて”の中心選手について語り始めた。
「調整は順調そうですか?」との質問には「そうだね。そうだね。なんでオレが喋るんだよ。ちゃんと聞いてくれよ。関係ないって」と言いながらも笑顔。それでも「悩み相談じゃなくて、こっちが気になることは伝えた。こっちにきて、いくつかチェックしていたはずなんだけど、ちょっと気になることがあったので、そのことに関しては話しました。野球をやる上で」と続けた。過去2年、大谷もアリゾナでキャンプを行ったとはいえ、環境などについてあらためて“助言”したようだ。
大谷の“独り立ち”には何の心配もない。「これからは自分でやらないといけない」と言われると、「今までも自分でやってましたよ。大丈夫です」と太鼓判。そして、こう続けた。
「本当に完全にこれで離れていくわけで、今はまだ(練習のときは)Tシャツ短パンだけど、違うユニホームを着て勝負をしに行くわけだから。こちらとしても、色んな思いがあるけど、必ずやここでやってくれると信じてこっちは前に進んだわけだから、楽しみにしてる部分もある。心配は尽きないけども、今まで通り俺はあいつを信じてるし、いろんなことがあっても、そんな簡単にはいかないとは思うけど、確実にそれを越えてくれると信じてるし、そういう選手だと思うので。今すぐ、今年ということだけじゃないかもしれないけど、どこかで大きく喜べるときが必ず来ると信じて、こっちは見続けるだけ」
さらに、大谷が全員に挨拶して回る姿について「翔平らしいし、色々話を聞いても、彼の愛されるあの感じというのはどこでも一緒だと思うし、本当に怪我なく好きな野球を思い切りやってくれればいい」とも話した。
もちろん、自分たちも大谷が抜けたことで低迷するわけにはいかない。昨年は二刀流右腕を長期間欠いたシーズンで5位に沈んだだけに、2年ぶりのリーグ制覇を達成したいところ。栗山監督は「翔平が抜けたからどうのこうのと言われるのは絶対にダメだから、それはもちろんみんな分かってるだろうし」とあらためて誓った。大谷の挑戦に刺激を受けながら、開幕への準備を進めていく。
(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)