大谷がキャンプで解決すべき“宿題” NPB助っ人の証言を基に米メディアが指摘
オリックス・ロメロ、ホークス・サファテが指摘した“課題”
実際に、記事ではオリックスのステフェン・ロメロ外野手の証言を紹介。「彼の直球は当てることができるんだ。メジャーの打者たちは当てることができると感じるんだ。なぜなら、彼の直球は真っすぐ来るからね。そんなに動きがないんだよ。容易なことではないけど、真っすぐ来るんだ」。メジャーでは、ツーシームなど手元で動くボールが主流だけに、大谷のきれいな直球は捉えられる可能性が高いという。
さらに、2017年の大谷の直球の平均回転数が2301回、MLB平均の2255回とそれほど変わらないという事実に言及。「球の速さがあっても、ボールの回転数の多さがより多くの空振りにつながる役目を果たすのだ」としている。もっとも、昨季ヤンキースで覚醒したルイス・セベリーノ投手の回転数と球速が大谷と似ているという事実も指摘。だからこそ、通用するかしないかの結論は出さず、「当面の間、オオタニの直球がスピードガンが示すだけのものに留まらないということを証明できるかは彼次第なのである」と結論づけている。オープン戦で空振りを多く奪えるようならば、その懸念は消えることになるだろう。
一方、打者としての課題は、これまでも多く指摘されてきた「内角打ち」。大谷は元々、内角に強い打者と見られているが、それでも、日本で内角を攻められていなかったことがメジャー挑戦後にどのような影響をもたらすか、注目されている。記事では、大谷の三振率が高いことに触れながら、「その上で、内角の直球が彼の悩みの種となるかもしれない」と分析。ここでも、日本球界を知る助っ人たちの証言を集めている。
ソフトバンクの最強守護神デニス・サファテ投手は「日本の投手たちは彼に対して内角を攻めない傾向にあるんだ。敬意を払ってのことだったと思うし、内角の直球を投げて彼の肘に当てたりしたくないんだ」とコメント。また、昨季までオリックスでプレーしたブレント・モレル内野手は「彼は逆方向に信じられない大飛球を放つけど、変化球が来ない限りはあまり引っ張らないように思えるんだ。メジャーにやって来るほとんどの若手選手たちのように、彼もズバズバ(内角を)攻められることになると思うよ。順応していく必要があるね」と話したという。
記事では、大谷の日本での被死球数がわずか4で、48本塁打のうち、15本がライト方向、33本がバックスクリーンか左方向であったというデータも紹介。その上で「彼がもし、このスプリングトレーニングで内角の直球を右翼方向でさく越えすることがあるなら、彼は正しい方向に進んでいるとエンゼルスは理解することになるだろう」と指摘した。もっとも、日本時代を知る者ならば、大谷が右方向にとてつもない特大本塁打、弾丸ライナーを突き刺すことを知っているはずで、この分析が正しいかについては、意見がわかれるところだろう。
キャンプでは、早くも投打に加えて走力などでも圧倒的な能力を見せているとは言え、まだまだメジャーリーガーや米メディア、米ファンにとって、大谷は“未知の天才“。ただ、その才能を知った時、改めて衝撃が広がることになりそうだ。
(Full-Count編集部)