メジャーでの実績は関係ない? オリックス両助っ人が語る適応の秘訣

「日本野球」に適応するには何が必要なのか―

「異なる国、異なる文化に来ることになったが、それらを楽しもうと思った」(ロメロ)、「心を開いて、さまざまな経験を受け入れ、1日、1日学んでいった。一度慣れてしまえば、日本という国やファン、野球、すべてが素晴らしいことに気付けた」(マレーロ)と、2人はこれまでを振り返る。

 日本の印象というと、「東京、大きなビル、たくさんの人がいるという印象」(ロメロ)というのが彼らに限らず海外から来た外国人の思いだろう。なかなか日本という国の中身を知る機会が限られている以上、ある意味典型的なイメージになるのは致し方ない。

 しかしロメロはそこから「素晴らしい食べ物やあらゆるものに敬意を払っていることなどを知った。大きく印象が変わったことはないけれども、楽しめている」。マレーロもロメロの意見に全く同意だという。

 もちろん彼らの中で、日本の文化やしきたりをすべて消化しきれているかどうかは分からない。ただ少なくとも、彼らは異文化に飛び込み、前向きな経験としてさまざまなことを受け入れてきた。

 彼らの主戦場であるフィールドにおいてはどうだろうか。アメリカとは違う「日本野球」に適応するには何が必要なのかたずねると、「自分にとっては、どれだけ頑張れるか、どれだけ自分を捧げられるか。シーズンを通して健康でいられるように、毎試合、いいパフォーマンスを出せるように」することが鍵と語るのはロメロ。一方のマレーロは「大事なのは正しいことを正しい方向ですること」だという。ある意味彼らが話すことはオーソドックスなことであるが、文化やしきたりの異なる環境の中でそれらを実践することは、そう簡単なことではないだろう。

 彼らのように、異なる文化の中で、今までにない「異質」を受け入れ、トライする。野球にとどまらず、さまざまなケースでお手本とすべきことではないだろうか。

 彼らは今年、来日2年目のシーズンを迎える。昨年の実績を踏まえ、もちろん他球団は彼らの打棒を警戒し、研究を重ねて弱点を徹底的に突いてくるだろう。一方の彼らも、日本野球の「勝手を知った」ことで、さらによい数字を残す可能性も十二分にありうる。

 例えば、激しいアクションでチームを鼓舞して杜の都を熱くしたハクション大魔王似の人気者は、2年目にシーズン27本塁打を記録してチームの主軸に定着し、他方では来日3年目にシーズン本塁打日本記録を樹立した「セ界の大砲」などもいる。

両助っ人が見るオリックス、「基本的にポジティブな印象しかない」

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