松坂大輔が刻むナゴヤドームの記憶 「苦手意識ない」も忘れられない「一発」
ナゴヤドームでの「悪いイメージは…」
1試合目は10月17日の第2戦。先発した松坂は7回途中まで3失点に抑え、西武は6-3とリードしていた。迎えた7回。先頭の代打・大西に内野安打を許し、1死から井端に中前安打を浴びた。1死一、三塁のピンチで、打席に迎えたのは3番の立浪和義だった。
2ボールからの3球目。真ん中付近に甘く入った真っ直ぐを完璧に捉えられた。打球は大きなアーチを描いて、中日ファンで埋まったナゴヤドームの右翼スタンドへと飛び込んでいった。同点の3ランだった。そこから右腕は一気に崩れて8失点でKOされた。松坂自身が4日の登板後に語ったナゴヤドームの記憶として「悪いイメージは立浪さんのホームランくらいですね(笑)」と言ったホームランこそ、この一発だった。
ただ、2度目の登板となった10月24日の第6戦では、8回134球を投げて6安打2失点と好投。2勝3敗と王手をかけられた一戦で勝利投手となり、3勝3敗のタイに持ち込んだ。さらに勝負を決する第7戦には、なんと前日134球を投げていたにも関わらず、リリーフで登板。7-0で迎えた8回にマウンドに上がると、1イニングを無失点に抑え、チームは快勝。日本一に輝いている。
最後の登板となっていた2005年5月31日の交流戦では、負け投手にこそなっているものの、8回を投げて6安打2失点とまずまずの内容を残している松坂。「投げやすい」というナゴヤドームのマウンドで復活し、再び、雄姿を見せてくれることを大いに期待したい。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)