イチロー、まさに「英雄の帰還」 マリナーズに刻む球団屈指の打撃成績
ケン・グリフィーJrも晩年に復帰、それに続く「英雄の帰還」に
イチローはオリックス・ブルーウェーブ時代から背番号「51」をつけていた。マリナーズに移籍してからも「51」をつけたが、イチローが移籍した時点でこの背番号は、すでにチームにとっては由緒ある番号だった。
シアトル・マリナーズの背番号「51」は過去4人だけ。記録はマリナーズ時代通算。
◯ビル・ウィルキンソン(1985年 投手 5勝8敗12S、防御率4.13)
◯レイ・キノネス(1986-89年 遊撃手 281安打24本115打点2盗、打率.251)
◯ランディ・ジョンソン(1989-98年 投手 130勝74敗2S、防御率3.42)
◯イチロー(2001-12年 外野手 2533安打99本633打点438盗、打率.322)
イチローの前の「51」は、「ビッグユニット」ことランディ・ジョンソン。208センチ102キロの巨躯でMLB通算303勝をマークした左腕。2015年には野球殿堂入りをした大投手だった。
2001年、イチローが「51」をつけた際には、ランディ・ジョンソンが移籍して3年しかたっていないだけに、ファンの間には抵抗感もあったようだが、イチローはそうした懸念を払しょくする大活躍をした。
2012年シーズン中にイチローがニューヨーク・ヤンキースに移籍してから、「51」は欠番となっている。イチローがマリナーズに復帰すれば再び「51」をつけるのは確実だ。イチローはすでに野球殿堂入りが確実視されているが、そうなれば「51」は、ランディ・ジョンソンとイチローの背番号としてマリナーズの永久欠番になるのではないか。
マリナーズ育ちの大打者が、他球団でのキャリアを積んだのちに復帰した例としては、2009年のケン・グリフィーJrの例が思い出される。1989年から99年までマリナーズで活躍したグリフィーは2000年にレッズに移籍。ホワイトソックスを経て39歳でマリナーズに復帰した。イチローにとってグリフィーはNPB時代から目標とする選手だったが、2年間、チームメートとしてともにプレーした。
歴史は繰り返す。今度はイチローが「英雄の帰還」を果たす。今年10月には45歳になるイチローだが、現役選手として残された時間を有意義に使ってほしいものだ。
(広尾晃 / Koh Hiroo)