覚醒の時を迎えるオリックス高卒4年目野手 コーチ&監督が語る魅力とは

「調子が良いから打てる、悪いから打てない、という低いレベルじゃない」

 土台作りの期間が終わり、技術的な練習もより強度を増して取り組めるようになった。これまでの鬱憤を晴らすかのように宗の成長スピードは急速に上がっていった。「内角の球を打ちにいくと、どうしても体が開いてしまう。けど、宗の場合は体が開く前にバットが出てくる。表現があっているか分からないが、手が速く出るんですよ。それが一番です」と下山コーチも、その成長スピードに目を細める。

 ソフトバンク・柳田ばりのフルスイングに、同じチームの吉田正を彷彿させる大きなフォロースルーを見せる豪快な打撃フォームが特徴的。スタンドインする長打力も生まれ、もちろん足を生かした打撃も可能だ。「豪快=大振り」のイメージを抱きがちだが、本人はそれを否定する。

「ただ大振りしているわけじゃないです。強く振る、その中でコンタクトするように意識しています。コーチの方々とも相談して、自分の中でも今の形を理解しているので。調子がいいから打てる、悪いから打てない、という低いレベルじゃないと自分は思っているので」

 3月3、4日のDeNAとのオープン戦では2試合連続先頭打者本塁打、そして9日の巨人戦でも一発を放った。オープン戦では主に1番として起用されている。先頭打者に一発、長打があるだけで相手投手に与えるプレッシャーは大きく変わってくる。福良監督も「相手は嫌やろね、足もあるし、長打がある。一歩抜けてるかな。でも、(1番・中堅は)競争ですよ」と、チームの課題だった「1番打者」の有力候補として評価している。

 キャンプ途中から本職の遊撃から外野へとコンバートされ、大ブレークのチャンスをつかもうとしている。「プラスに捉えています。勝負できる場所で勝負したい。1日1日でベストを尽くすだけ、自分ができることはそれしかないので」。自身初の開幕1軍、そして「1番・中堅」をつかむため、がむしゃらに突き進んでいく。

(Full-Count編集部)

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