楽天則本&松井が語るお互いの凄さ 「伸びるボール」の秘密とは

相手選手からも「真っすぐがいいからチェンジアップが打てない」

――トラックマンに表示される数字と自身の感覚は、どれほど一致しているものですか

松井「『いい球がいったな』と思って見たら、その試合で一番いいボールだったりということが結構、多いですね」

則本「調子が悪い日は悪い数値が出るものです。数字と感覚が合わない時は、自分の投げる球はいいけど打たれたか、反対に球が悪かったけど抑えたか。そういうのも、トラックマンのデータを見れば分かります。特に先発ピッチャーは次の登板までの6日間に何をすればいいのかが決まるので、有効活用しています」

――速球を生かすために大切な緩急の重要性については?

則本「それはもう、松井さんの方が緩急を使うのは慣れているので(笑)」

松井「緩急をつける球種はチェンジアップしかないですけど。相手チームの選手からも、『真っすぐがいいからチェンジアップが打てない』と言われることが結構多い。真っすぐが良くない日はチェンジアップも打たれます。変化球を生かすも殺すも真っすぐ次第と僕自身も思っていたし、結果にも表れています」

――キャンプで取り組んでいる2段モーションに、打者のタイミングを外す狙いは。

松井「緩急ではないですね。自分の間合い、ペースで投げるために一番、2段モーションがヒットしました。いいボールを投げるにはいいフォームということで、自分の身体を使って投げやすいフォームを探りながら、どうやって力を伝えるかを考えて。今はこの身体でそのフォームにすれば、一番強い球がいくのではないかというところにいたりました。その結果の2段モーションです」

――則本投手は今、リリースポイントに工夫を施しているようですが。

則本「ん~、緩急と言われると違うような気がします。でも、真っすぐと変化球の緩急はもちろんですけれど、真っすぐの間にも緩急をつけられたら、投球の幅はもっと広がるという考えで常に野球をしています」

――そこで、新しい取り組みに着手している

則本「そうですね。リリースポイントや球速を真っすぐだけで操作できたら面白いかなという考えで、去年から少し試していました。それを、今年はこの時期から取り組めば完成度が高まるかなと思ってチャレンジはしています。だめだったら使わないですし。今は『もしかしたら使うかな』ぐらいですね」

松井「マジですごいですね……。それはマジですごい」

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