楽天則本&松井が語るお互いの凄さ 「伸びるボール」の秘密とは

インタビューに応じた楽天・松井祐樹(左)、則本昂大【写真:藤原彬】
インタビューに応じた楽天・松井祐樹(左)、則本昂大【写真:藤原彬】

楽天エース&守護神の野球談議、則本の試みに松井驚嘆「マジですごい…」

 3月3、4日に行われた「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2018 日本vsオーストラリア」の2連戦。2試合目のまっさらなマウンドに則本昂大投手が立ち、最終回を松井裕樹投手が締めた。両投手は2015年のプレミア12と昨年のWBCでも日の丸を背負っている。杜の都では見慣れた光景を日本代表にも持ち込むまでのステータスに、2人は上り詰めた。

 かたやアマチュア時代は無名も球団初の日本一を知る先発右腕で、一方は甲子園を沸かせプロ入りしながら、まだ勝利の美酒に酔った経験のない救援左腕。だが、同じ「本格派」がマウンド上で発露する闘争心と、今季、欲しているものは共通している。

――まずは、お互いの持ち味である速球の凄さと魅力について教えてください

則本「松井の真っすぐはなかなか前に飛ばないし、トラックマンのデータ上でもプロ野球選手の中で上位の数値を叩き出しています。その真っすぐがあるから変化球も生きると思うし『なぜ前に飛ばないのかな』と思いながら、いつも見ています」

松井「則本投手の速球はまず速い。あと、スピンがすごいですね。1分あたりの数字が2600ぐらいで、メジャートップクラスの選手のファストボールと同じレベルの回転数なので。打とうとしたところよりもボールが上にあるから、なかなか打つのが難しいと思います。コンスタントに投げたいところに投げることもできるので、レベルが高い」

――よく言われるように、回転数が増えるとボールが伸びるイメージになるのでしょうか。

松井「伸びることって、あるんですか」

則本「実際に伸びるのは球速が160キロ以上出ていて、3000回転ぐらいが必要」

松井「実際は無理なんですよね」

則本「そう。160キロ以上で3000回転を超えないと」

松井「なので、『ボールがより落ちずに来ている』という表現が、人の目には伸びているように見えるということなんですよね」

則本「そう」

松井「基本的に落ちるボールを見ているから、それより落ちていないボールが伸びて見える」

相手選手からも「真っすぐがいいからチェンジアップが打てない」

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