パ・リーグが取り組む新規開拓を増やす方法とは? 球団職員が明かす真実
パ・リーグの若手球団職員がイベントで熱弁
2月20日、東京・渋谷にてパ・リーグ6球団とPLM(パシフィックリーグマーケティング)による合同イベント「PACIFIC LEAGUE BUSINESS CAMP 2018」が行われた。このイベントはプロ野球界の就職を考える大学生、大学院生などを対象に、各球団とPLMが個別ブースで業務内容や球団方針について説明する「仕事研究・体験イベント」だ。
昼、夜の2部制で行われた中、昼の部で開催されたのがパ・リーグ球団の若手職員が自らの仕事について語る「若手社員トークセッション」。登壇したのは北海道日本ハムの藤野功氏、楽天の武石真氏、福岡ソフトバンクの川原啓司氏。3人とも20代で入社4年目以内、チケット販売を取り扱う部署で勤務している。
3人が自己紹介、入社の志望動機を話した後、話題となったのは「入社前と入社後のギャップについて」だった。この話題に関して3人が共通して答えたのは「仕事が楽しい」という点だ。
「チケットの売り上げや観客動員といった野球事業の根幹に携わらせていただいていますが、やりがいを感じていて『社会人は思った以上に面白いな』と感じています。1年目は大変な部分もありましたけど、そこを乗り越えるとどんどんステージが上がり楽しくなってきました」(川原氏)
「組織が縦割りされているイメージがあったのですが、良い意味でそんなことはなかったです。自分の意思や思いがあれば、様々なものにチャレンジできる。自由度の高い環境でやらせてもらっていますね」(武石氏)
「自分で考えて行動してみれば、どんどんビジネスの領域は広がると思います。入社後に自分の仕事内容は広いなと気付かされました。さらに仕事を作っていける楽しみがありますね」(藤野氏)
そして、トークセッションの本題である「どうしたら、新たなファンを増やせるか?」という話題に突入。藤野氏は北海道日本ハムの取り組みをこう紹介する。
「今、来て頂いているお客様の情報を収集・分析し仮説を立て、新たな戦略を練っています。球団ではチケット、グッズなどの購買状況を一元管理するシステムが整い始めました。これから進めていく状況です」
ここで藤野氏が「情報分析・収集はどのようにされているのでしょうか?」と川原氏に福岡ソフトバンクの取り組みについて質問する場面も。川原氏はその質問に「一元管理するシステムは昨年から導入しました。それまでは感覚値で仮説を立てていましたが、データで裏付けが取れるようになった。顧客のデータ分析をすることで、買う可能性の高い層にだけ情報を送る取り組みをしています。その効果はとても大きいです」と説明した。それに対し藤野氏が「いろいろ教えてもらってありがとうございます」と笑顔で返し、壇上で球団間の情報交換が行われる一幕もあった。