県内屈指の進学校がセンバツに選ばれたワケ “データ班”だけじゃない膳所高
チームの勝利を手助けする“データ班”
滋賀県内屈指の進学校の膳所に、59年ぶりの吉報が届いた。これまで春は3度、夏は2度甲子園出場があるが、いずれも初戦敗退。だが、今回は今までにない大きな“武器”がある。
それは戦績の数値を洗い出し、試合に活用する係―“データ班”の存在だ。野津風太君、高見遥香さんの2人が部に加わったのは昨春。前主将が1年生を前に行ったクラブ紹介でデータの解析をする部員募集をすると、その声に反応したのが2人だった。
「技術で勝とうと思うと現状では限界があるので、データを分析できる部員が欲しいと思ったのが理由です。控え選手にさせるのではなく、専門の部員です。もちろん、データだけに頼る訳ではなく、ひとつのアイテムとしてデータを武器にできればと思いました」(上品充朗監督)
ただ、2人は毎日グラウンドに来る訳ではない。野津君は塾通い、高見さんは書道部にも所属しており、活動の時期は限られているが、そのデータ作りは実に丁寧だ。過去のスコアなどを元に打球が飛ぶ位置や方向などの確立を統計し、数値にしたデータなどをパワーポイントなどでまとめ、試合前に配布される。