県内屈指の進学校がセンバツに選ばれたワケ “データ班”だけじゃない膳所高
「敢えてファウルを打つ練習」1試合平均8個の四球
連日の7時間授業に加え、練習時間は平日でも最大で3時間ほど。下校後も塾に通う選手も少なくなく、限られた環境の中では創意工夫が必要だ。本気で試合に勝とうと思えば、様々な側面から作戦を立てなければいけない。「練習ではボールの見極めなどは厳しく指導しています。四球をもぎ取るためにボールを見ることや、敢えてファウルを打つ練習をさせることもあります」。確かに昨秋は四球が公式戦4試合で32個と、1試合平均で8個も“歩いて”出塁している。
ただ、正式にセンバツ出場決定前にデータ班の存在がクローズアップされ、選考理由として「女子生徒が野球にどう絡んでいけるか、マネージャーだけでなくいろいろな関わり方があることを証明している」というコメントが流れると、“女子生徒が絡んでいるから選ばれたのか”という憶測がネットで流れていた。
それは、選考理由の一部分であり、選手たちは勉強もさることながら真剣に野球に向き合い、練習姿勢も評価されたもの。“文武両道”という言葉は高校野球では聞き慣れた言葉かも知れないが、猛勉強の中でも白球を追いかける姿は強豪校だろうが、進学校だろうが変わらない。「練習、試合でも“始動”が早いチーム。だから、きっと何かを持っている子たちが集まったのではないかと思う」という指揮官の言葉に、この春の飛躍を期待せずにはいられない。
(沢井史 / Fumi Sawai)