戦う度に自信を付けた日本航空石川 強力打線で初のセンバツに挑む
女子マネのCA風制服でも注目、入学殺到で女子寮も増築
全国の強豪相手でも、自分たちはやればできるんだ。そんな意識が芽生えた。それから県大会での戦いぶりも変わった。これまでは甲子園を目指すチームが“甲子園で勝てるチームになろう”が自然と合言葉になった。「ここで接戦するようではダメだとか、ここではしっかり大差で勝ち切らないと、とか。目標が高くなることで選手の目つきも変わりました」(中村監督)。
昨夏の甲子園レギュラーメンバーが7人も残って挑む今春のセンバツ。経験値というこの上ない武器もあるのだから、昨秋の戦いぶりはフロックではないことを誰もが感じるだろう。この冬は例年以上に雪が多く、能登半島中部に位置するグラウンドでは外でほとんど練習ができなかったが、3月の徳島合宿を皮切りに、急ピッチで実戦を積み上げて本番に備える。
そしてもうひとつ。昨夏の甲子園では女子マネージャーがクローズアップされ、女子の人気も沸騰した。学校にはキャビンアテンダント科も設置されており、何より制服がCA風ということで興味のある女子生徒から希望者が殺到したという。
5年前までは女子生徒は1学年に10人ほどしかいなかったが、昨年は80人の女子が入学。クラスが増えたのはもちろん、全寮制のため生活を送る女子寮も増築した。学校としても勢いがとどまるところを知らないが、やはり注目はこの春の甲子園での戦いぶりだ。“初のセンバツ”を感じさせない力強さを武器に、秋に続く旋風を春の舞台でも巻き起こす。
(沢井史 / Fumi Sawai)