ハム島田前球団代表が最初で最後の胴上げ 北海道移転の功労者が伝える想い
原点は通訳「通訳って、語学力じゃないよ」
選手への思いの原点は、通訳時代に遡る。どうしたら選手が活躍をできるかを最優先に考え、親身になって外国人選手の公私に渡る相談に乗った。今でも歴代の通訳たちには「通訳って、語学力じゃないよ」と最初に説くという。
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に選手会が不参加を表明した2012年には、NPBの国際関係委員長として、米国側との交渉役を務めた。「大変な時代でしたね。それはそれで楽しかったですけど。1つできたのは、侍ジャパンを立ち上げられたのかな」と振り返る。
NPBでの仕事については「本当に変えられなかったことが心残り」とも漏らした。それは競技人口減少という野球界が抱える難問への取り組みを指している。「アマチュアの皆さんは競技人口が減っていることを直に感じ、危機感が強かった。逆にプロは観客動員が増えていて、そのギャップがあった。もっと危機感を持たせられたんじゃないかな」。自戒を込めて口にした課題は、次の世代に引き継がれる。
(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)