阪神・福留はなぜ40歳でもスゴイのか 揺るぎない哲学「俺は流されない」
胸に秘める「いつでも来い」の思い
厳しい言葉を投げかけるのは、自分に対する揺るがぬ自信と、若手に対する物足りなさがあるからだ。2013年にメジャーから阪神へ移籍。縦じまのユニフォームに袖を通して2シーズンは怪我に悩まされたが、140試合に出場した2015年は打率.281、20本塁打、76打点の活躍。2016年には131試合で打率.311を記録し、昨季も127試合に出場し、打率.263、18本塁打、79打点の成績を残した。正右翼手として君臨する衰え知らずの40歳は「負ける気はないから」と言い切る。
「俺は『いつでも来い』って思ってるからね。活きのいい若手が出てきて抜かれたら『俺の力がなくなった』って諦めがつくけど、まだまだ。1年だけじゃなくて、2年、3年と続けて『コイツには勝てない』って思わせる選手が出てくるのか。こう言いながら『負ける気はない』って、どんなことがあっても永遠に思っているのかもしれないし(笑)」
主将を任されたからといって、何か大きく変えたことはない。自己に厳しく、常に戦い続ける姿を見せることで、後輩たちが何かを感じ取ってくれればと願う。
「若い選手たちに『ちょっと気を抜いたことをしたら……』って思われる存在であればいいと思う。言葉に出さなくても、そう思われる立場にあれば。ま、俺が言う時はよっぽどだから(笑)。『これ以上やったら福留さんに……』って思わせる、あるいは『クソ、絶対に抜いてやる』って思わせる存在であれば。それが一番年上の役割だと思う」
1日も早い若虎たちの成長を期待しつつ、経験と自信、責任に溢れる大きな背中で壁となり、立ちはだかる。