絵馬にしたためた「No.1」――西武エース菊池が自らに課す、さらなる進化

菊池がたどり着いたエース像とは…

 菊池が考える「自分の中のエース」とは、どんな姿なのだろう。

「正直、まだはっきりしたものはありません。でも、去年1年間やってみて、いろんな意味で『信頼してもらえる』ということが、勝ち負け以上に大事だったり、価値のあることなのかなと思いました。勝ち負けというのはコントロールできないですが、もちろん結果がないと信頼してもらえない。それプラス、ロッカールームでの振る舞いや練習への取り組み方などを含め、もっともっとチームに、ピッチャー陣にプラスになるような存在になれればと感じました」

 決して後輩や他者に対し、積極的に言葉でアドバイスをしたりするタイプではない。それでも、常に進化を追求するあくなき向上心と、その結果、得られることができる圧巻の成績こそが、菊池なりの最高のチーム牽引だ。

「自分のやるべきことをきっちりやって、淡々と1週間準備をするということを繰り返すことしかできない。それをいかに精度高く、徹底的に繰り返して半年間やれるか、がテーマです。自分ではコントロールできない勝ち負けに左右されず、それを貫くことって、実は結構難しいんです。その姿を見て、若手や他の投手に何かを感じてもらえることがあるなら、と思います」

 2018年シーズン。超えるべき存在は、もはや己のみ。誰もが認める「No.1」の称号を手にすべく、すべての面で精度向上を追求していく。

(上岡真里江 / Marie Kamioka)

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