大阪桐蔭を春連覇に導いた“二刀流” ドラフト上位候補の根尾は何がスゴイ?

第90回記念選抜高校野球は大阪桐蔭(大阪)が5-2で智弁和歌山を下し史上3校目となる春連覇を達成
第90回記念選抜高校野球は大阪桐蔭(大阪)が5-2で智弁和歌山を下し史上3校目となる春連覇を達成

根尾が味方のミスを抜群のフィールディングで帳消しに

 第90回記念選抜高校野球は4日、決勝戦を迎え大阪桐蔭(大阪)が5-2で智弁和歌山を下し史上3校目となる春連覇を達成した。前評判通り、優勝候補の大阪桐蔭が優勝を決めた一戦を沖縄・興南高校で春夏通算6度の甲子園出場を果たし、京都大学などでも監督を務めた比屋根吉信氏(66)に解説してもらった。

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 序盤はミスもあったが決勝戦に相応しい好ゲームだった。大阪桐蔭の根尾はミスをカバーするフィールディングに投球、そして打撃でもダメ押しとなる一打を放つなどチームの勝利に貢献した。

 まずは2回のフィールディングだ。先頭の智弁和歌山・黒川の二塁へのゴロを名手・山田がまさかのエラーで出塁を許した。初回にも2死球と不安定だった立ちあがりの根尾にとっては痛い先頭の出塁だったが、続く高瀬の送りバントを素早く処理し併殺を完成させた。少しでも迷いがあれば、オールセーフになる可能性があったが躊躇なく二塁へ送球。山田のミスを帳消しにする素晴らしいプレーだった。

 そして2点を先制された4回。再び先頭打者を二塁・山田のエラーで出塁を許し無死満塁としたが、7番・高瀬を一ゴロ併殺に抑えた。続く東妻に2点タイムリーを浴びたが、9番・池田を空振り三振に打ち取った。無死満塁からの2失点は最少失点と言ってもいいだろう。逆に智弁和歌山は3点目が取れなかったのが痛かった。

 準決勝から連投となった根尾だが、相手打者をよく観察し頭脳的な投球を見せていた。智弁和歌山の高嶋監督は各打者にスライダー狙いを徹底させていた。準々決勝、準決勝と打ち合いを制したチームは大振りになりやすい。そこを見て逆方向への打撃を指示し、コンパクトな打撃をさせようとしたに違いない。

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