3連敗で借金2、王者ホークスがおかしい 先発に勝利なし&拭えぬ不安

4月3日に九鬼が右手親指を手術、残る支配下の捕手は4人だけ

 4月3日に2年目の九鬼隆平捕手が右手親指を手術。キャンプ中に高谷裕亮捕手、栗原陵矢捕手が相次いで負傷し、捕手難に見舞われていた中で、またしても捕手に離脱者が出てしまった。これで残る支配下の捕手は甲斐拓也、育成から支配下に昇格した堀内汰門、谷川原健太、張本優大の4人だけに。育成の樋越優一を入れても5人しかいない。

 1軍は甲斐と堀内の2人体制でここまで戦ってきている。ここまでの6試合は甲斐がフルイニングでマスクを被っているが、甲斐も昨季は高谷と併用されてきた身で、ここまで常に試合に出ることは初めての経験だ。特に捕手で常時試合に出るのは肉体的、精神的、そして頭脳的にもかかる負担が大きいだけに、甲斐のコンディション面も心配である。

 ソフトバンクは3軍制を敷くため、2軍と3軍の試合を回すためには捕手5人では明らかに人手不足である。そのため、現在、3軍戦では本来内野手の曽根海成がスタメンマスクを被り、ブルペン捕手が控え捕手としてベンチに入る事態となっている。これ以上、捕手に故障者が出たら、それがもし……、となれば、チームの根幹を揺るがす事態となってしまう。

 開幕して1週間が経過した。オープン戦も5勝10敗1分と大きく負け越していたソフトバンクのチーム状況は、決して良くない。打線も4月1日のオリックス戦で16安打12得点を奪ったが、2桁安打はこの1度きり。6日の楽天戦もわずか5安打に終わった。内川、デスパイネの4、5番は打率1割台で本塁打ゼロ、打率.300を打つ柳田も本塁打は無い。

 投打ともに調子が上がってこない王者。ディフェンスの要となる捕手にも不安を抱えたまま、しばらく戦っていかなければならない。開幕から苦境に立たされているソフトバンク。抜け出すキッカケがつかめないままだと、大きく出足でつまずく恐れもある。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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