【1軍をマクレ】9割9分反対されたプロの道… ロッテ育成出身22歳が“ポジティブ父”に恩返し

プロ入りを唯一支持した父「3年でクビになったら、その時考えればいい」

 今年で5年目。以前は自分に与えられたチャンスは、さらに若手に与えられるようになった。1軍、2軍の区別なくスタートした井口新体制でのキャンプでは、「手応えは多少なりともあったんですけど、自分の中で危機感が生まれました」と明かす。

「このままじゃダメなんだなっていう危機感が生まれました。打つだけじゃ今年は勝負できないんだって。もちろん打ち続ければチャンスはあるけど、そういうわけにもいかない。何かプラスαが必要なんです。

 特に今年はチームが走塁重視を掲げているので、やることは明確になっている。1軍、2軍関係なく、1つ先の塁を狙ってアウトになってもいいって言われています。元々、僕は前に前に気持ちが走る方なんですけど、さらに意識は強まりました」

 大学進学の話もあり、プロ入りは「9割、いや9割9分の人に反対されました」という。そんな中、プロの世界へ背中を押してくれたのは「オヤジだけです」。「3年でクビになったら、その時考えればいい」と送り出してくれたスーパーポジティブな父。その決断をサポートしてくれた家族のためにも、「今年は1軍に上がって定着するように」と気合いが入る。

 名字の珍しさもあるが、キラキラネーム全盛の世代で「肘井竜蔵」という名前は一際目を引く。「渋い名前ですよね。でも僕、自分の名前が大好きなんです。自分に子供が生まれたら、絶対渋い名前にしますね」と屈託なく笑う22歳。1日も早く1軍に昇格、定着し、誇りを持つ名前を全国区に広めたい。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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