鷹の「オバマ」が覚醒? 5年目迎えたドラ1右腕を変えた仲間の言葉とは
11試合を終えて6試合登板はモイネロとともにチーム最多タイ
150キロ超の真っ直ぐに加え、鋭く落ちるフォークが武器の加治屋。2018年、何が背番号14を変えたのだろうか。
プロ入り4年間で、1軍通算わずか4試合。1つは当然心に芽生えてくる危機感だ。「やれる自信というより、やるしかないというのが素直な気持ちです」という。そして、危機感に加えて、自らに自信が持てるようになったことが大きいという。
「今は自信をもって投げられている。自分に対しての自信ですね。去年だと、もう下に落ちたくない、ファームに行きたくない、ここ(1軍)にいたいという気持ちが強過ぎて、それで腕が振れないピッチングになっていました」と昨季までの自分を振り返る加治屋。そんなメンタルを変えたのは周囲の、とりわけチームメートからの声だった。
「投げているボールはいいんだから自信を持って行けと倉野コーチからも言われていましたし、森やサファテからもいいボールを投げているんだから、何も考えずに恐れるなと言ってもらえていました。周りからの声によって、僕のチキンな部分、弱い部分を変えてもらっています」。同期入団の森、そしてチームの絶対的守護神であるサファテからも認められたことで、自らのボールに自信を抱けるようになったのだ。
体のコンディションも、今は良いのだという。課題となるのは、この先、コンディションが下降線を描き出した時にどう対処するか。「体の状態、パフォーマンスがいいことも自信に繋がっている。それが落ちてきたときにどうなるか。ボールの精度だったり、フォークなり、ストレートなり、このボールならいつでも大丈夫だと自信を持って投げられるようにすることが必要だと思っています」。
工藤公康監督は12日の試合後に加治屋について「キャンプからコントロールが課題だった。それを克服するために一生懸命やっていた。結果を残せば信頼は出てくる。実感していると思うよ。球威があるし、いいところで使えるようにしたいなと思うし、そいうところに入れるように頑張って欲しい」とコメントした。和田毅と千賀滉大を欠き、右肘手術を受けた岩嵜翔は約3か月の離脱となる予定だ。5年目を迎えたドラ1右腕、加治屋蓮。苦しい台所事情を救う救世主となるかもしれない。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)