常識覆す二刀流 大谷翔平の異次元の活躍がメジャーの規定を変える?
これまでの“常識”覆す活躍、今後MLBでも議論に?
実はNPBも公式サイトも大谷翔平の活躍によって変更を余儀なくされている。公式サイトの現役選手の年度別成績は、2016年まで投手は投手成績、打者は打撃成績しか表示されていなかったが、2017年から投手の打撃成績も表示されるようになった。
2016年に大谷翔平が投手として10勝4敗、打者として22本塁打67打点でMVPに選出されたことで、投手の打撃成績を表示する必要性が生じたからだ。MLBでは月間MVPを投打別に制定している。大谷がこのまま活躍を続ければ、投打で月間MVPの候補にエントリーされる可能性があるが、この際にどちらで選ばれるのかが問題になってくる。
さらに、MLBは各ポジションで最強の打者を選出し「シルバースラッガー賞」を授与している。アメリカン・リーグでは投手、DHも「シルバースラッガー賞」があるが、大谷翔平はどちらで受賞するのかが議論になる可能がある。
NPBでは2016年にベストナインの表彰規定を改定して、複数ポジションで一人の選手が受賞できるようにした。これによって大谷翔平は投手、指名打者両方でベストナインに輝いたが、MLBも大谷がW受賞できるようにルール改訂を迫られるかもしれない。
たった一人の選手の異次元の活躍で、日米の野球の記録や表彰のルールが変更を余儀なくされている。これも大谷翔平の凄さを象徴する出来事だろう。
(広尾晃 / Koh Hiroo)