マウアーが2000安打を達成 09年にはイチローとハイレベルな首位打者争い
現代では珍しいフランチャイズプレーヤーでの2000安打達成
しかし、この時期から故障がちとなる。2013年8月にはファウルチップがキャッチャーマスクを直撃し、脳震盪を起こす。脳震盪を再発すれば選手生命にかかわる恐れがあるという医師の助言もあり、2014年から一塁手に転向するが、打撃成績は下がり続けた。
それでも、昨年は5年ぶりに3割(.305)をマーク。復調の兆しが見えていた中、今季も開幕から好調で、4月13日(同14日)時点でリーグ2位の打率.412。そして、2000本安打も記録した。
捕手としての出場試合が50%以上の選手の2000本安打はMLB史上11人目。※は野球殿堂入り。
1.イバン・ロドリゲス 2844安打※
2.テッド・シモンズ 2472安打
3.カールトン・フィスク 2356安打※
4.ジェイソン・ケンドール 2195安打
5.ヨギ・ベラ 2150安打※
6.マイク・ピアッツア 2127安打※
7.ゲーリー・カーター 2092安打※
8.ジョニー・ベンチ 2048安打※
9.ビクター・マルティネス 2046安打
10.A.J.ピアジンスキー 2043安打
11.ジョー・マウアー 2000安打
マウアーも歴史的な存在になりつつある。一度も移籍を経験しないフランチャイズプレイヤーのまま2000本をクリアするのは、現代のMLBでは珍しい。現役の2000本安打は10人目となる。
巨額契約も今季が最終年。今後の去就が気になるところだ。一説では今季限りでの引退の情報もあるが、まだ34歳。3割を打って元気なところを見せれば、可能性は広がってくるだろう。長打は少なくなったが、ボールをじっくりと見極め、広角に打ち分ける打撃技術は健在だ。もうひと頑張りを期待したい。
(広尾晃 / Koh Hiroo)