中日松坂、4241日ぶり白星に喜び爆発 「空きすぎていて抑えられなかった」
獲得に尽力した森監督にも感謝「1年かけて恩返ししていくつもり」
2015年、メッツからソフトバンクへと加入して日本球界に復帰。だが、3年間在籍したソフトバンクでは右肩の故障に苦しんだ。移籍1年目の8月には投手の命といえる右肩の手術に踏み切り、そこから長く険しいリハビリの日々を送った。状態が回復し実戦の舞台に復帰したと思えば、また不調が出てリハビリ組に逆戻りとなる繰り返し。日本全国の病院、治療院に足を運んでは、右肩の状態を回復させる道を探った。また、投げたい――。その一心だった。
結局、ソフトバンクでは1軍登板1試合のみ。オフに戦力構想外となり、退団して新天地を求めることを自ら決断した。所属先の決まらぬ「平成の怪物」に手を差し伸べたのが、中日。西武時代から知る森繁和監督、友利結国際渉外担当の尽力により、テストを経て入団が決定。苦しめられてきた右肩の状態も良好で開幕から1軍の戦力となった。3度目の登板で白星をつかんだ。森監督にも恩返しの1勝となったが、「監督には1年かけて恩返ししていくつもりでいます。やっと1つ勝てたので、出来るだけ多くの勝ちを監督につけたいなと思っています」と感謝の思いを口にした。
「僕が投げる時にたくさんの人が球場に来てくれて感謝しています。僕が投げる試合だけじゃなく、他の投手たちが投げる試合にもたくさん来てくれたらいいなと思います。よろしくお願いします」。お立ち台でファンにこう呼びかけた松坂。ついに掴んだ初勝利。止まっていた松坂の時計の針が動き出した。ここからは中日ドラゴンズの勝利のため、マウンドに上がっていく。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)