イチローがマ軍特別補佐に GM「長期にわたりマ軍にとどまることが目的」
大谷との対決は消滅、来季以降の出場に可能性を残す“生涯契約”も
マリナーズは3日(日本時間4日)、イチロー外野手が球団特別補佐に就任し、今季残りの試合に出場しないと発表した。イチローはチームに同行し、練習を続けながら選手のサポート役に回る。3日限りでメジャー40人枠は外れたものの、来季以降の試合に出場する可能性を残す契約となった。米スポーツサイト「ジ・アスレチック」の名物コラムニストのケン・ローゼンタール記者は「イチローの代理人は現役引退を否定してる」とツイート。マリナーズは来年3月に東京ドームでアスレチックスと開幕戦を行うため、イチローが日本で復帰する可能性を残した。
メジャーでも異例の契約となった。ジェリー・ディポトGMは「新しい役割はチームでのイチローの価値を高めることにつながる。チームにとって一番大事なのはイチローの存在を勝利につなげることであり、それは彼にとっての最重要事項でもあった」と説明した。
さらに、「この契約は今シーズンに限ったものではあるが、イチローが長期にわたってシアトル・マリナーズの一員にとどまることが我々のゴール。2019年以降はチームとイチローにとって最適になるように進化させていくことになるだろう」と、生涯契約に発展する可能性も示唆している。
イチローが試合前に独自のトレーニング器具を使用し、入念に準備を行うことは広く知られている。伝説となりつつある調整法は昨季まで所属したマーリンズでは若い選手に支持され、チームに好影響をもたらした。同GMは「イチロー独自のトレーニング法や性格と実績は若い選手やベテラン選手にポジティブなインパクトを与えてくれる。試合で出ないということを除けば、イチローにはこれまでと同じように取り組んでもらいたい」と新しい役割でのリーダーシップを期待した。
イチローは3月に、2012年まで在籍したマリナーズに6年ぶりに復帰。今季は2日までに15試合に出場して44打数9安打、打率.205。春季キャンプで頭部死球を受けた影響で実戦経験を積めず、開幕してからも調子が上がっていなかった。今季最後の出場となった2日(3日)のアスレチックス戦は「9番・左翼」で出場し、3打数無安打1四球1得点だった。4日(同5日)から始まる本拠地エンゼルス戦では、大谷翔平選手との対決が期待されたが、実現しないことになった。