2年生で甲子園2打席連発もケガに泣いた春 「自分の成長がチームの成長に」
青木監督「6月には復帰できる見込みなので夏には間に合います」
そんな谷口がずっと背中を追い続けていたのが前チームで不動の4番を務めた猪田和希(現JFE東日本)だ。「猪田さんのひとつひとつの動きから見て自分のバッティングに生かしていました。強い打球が打てるのも憧れです」。夏の甲子園では精彩を欠いたが、夏の県大会では7試合で4本のホームランを放った同じ右打者の大先輩の姿を何度もなぞってきた。
だが、自身の昨夏の甲子園での2アーチの話を振ると「たまたまです」と謙そんする。「打てたことは自信にはなりましたけれど、技術的にはまだまだ。秋に県大会で負けてからバッティングを基礎から作り直そうとしたらケガをして、今も思うように(バッティングを)固められていないんです。でも、(ケガをした)今の自分をマイナスにはとらえていません」ときっぱりと口にする。
「6月には復帰できる見込みなので夏には間に合います」と青木尚龍監督。高校通算本塁打は38本を数える関西を代表するスラッガーだが「これからもっと成長していきたいです。自分の成長がチームの成長にも繋がる。今、やれることをやっていけば夏に生きることもたくさんあります」。勝負は最後の夏。そう自分に言い聞かせながら、今日も地道に黙々とトレーニングを積み重ねている。
(沢井史 / Fumi Sawai)