タイトル獲得へ、西武山川は「パ・リーグ本塁打王のジンクス」打ち破れるか
セ・リーグでは…
セ・リーグのランキングに目を移すと、04年の阿部慎之助内野手(巨人)が4月に放った32安打のうち実に半分がホームランだった。シーズン記録となる259本塁打を樹立する「史上最強打線」にあって、開幕から主に8番を務めた阿部だったが、23試合でリーグトップの35打点、長打率.977と驚異的な数字を残している。ただし、5月は6本を追加しながら、6月以降は月ごとで2→3→2→2→2と低空飛行で終わった。
他方、西の人気球団では06年の濱中治氏(阪神)が4月に打率.435、10本塁打、長打率.913と、生え抜き和製スラッガー候補の活躍に、ファンは色めき立った。濱中氏はこのシーズンに、それまでは毎年のように悩まされてきた故障に見舞われることもなく、規定打席に到達して初の打率3割をクリアするなどキャリアベストの成績を収めている。たが、最も期待されていた本塁打の上積みは、5月からの117試合で10本と失速した。
03年のペタジーニ氏(巨人)は故障の影響で100試合の出場とともに34本塁打も来日以降で最少だったが、本塁打率は3・4月以降も大幅に落ちることはなかった。シーズンで記録した本塁打率9.74は本塁打王に輝いた1999年、2001年よりも優秀な数字で、打席に入りさえすれば持ち前のパワーを証明し続けている。
初のタイトル獲得へ猛威を振るう山川のバットだが、表中にあるように、00年以降の3・4月に2ケタ本塁打に届きながらタイトルを獲得した打者はパ・リーグでは皆無で、セ・リーグでもわずか2人しかいない。ホームランダービーは出だしが全てではないということだ。